喰べないからそばに居て。

青鬼と人間―１９― ページ21

無事(？)にご飯を食べ終わり、シアは何処かへ消える。
何故か、私のマフラーを取って。

「………暇だわ。」

今頃、学校で楽しく勉強してたのに。
でも、このままじゃ学校の前に病院ね…。痛い。

首元が少し寒い。いつも、マフラーをつけてるから違和感を覚える。
……あのマフラー、ひろしとお揃いのにして編んだのに。


――――
―――。


突然、扉が開き青鬼が入ってくる。体が強張る。
でも、首に白いマフラーを付けている。………シア？

「………シア、かしら？」

青鬼は頷く。
そして、シアの姿になる。

「A。」
「どうしたのかしら？」
「……つくって。」

後ろに隠していた物を私の前に出す。
小さな籠に、白い毛糸玉三つと、編み針４本。

「Aの、この、ひらひらした、ぬの、と、おなじの、つくって。」
「……マフラーを編んで欲しいの？」

また、頷く。

…別に作るのは良いんだけど。

「じゃあ、手を自由にしてほしいわ。」
「……。」
「手が無かったら作る事、できないわよ？
　…安心して、逃げたりしないわ。こんなに、縛られたら動ける訳ないもの。」
「わかった。」

両腕が解放される。
ずっと、縛られていたから少し麻痺している。

「じゃあ、作ってるから待ってなさい。ちょっと、時間がかかるけど……我慢できる？」
「できる！シア、まってる！！」

子供のような笑顔でそう言うシア。
そして、部屋を出ていく。

「…………さて、頑張るよ。」

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