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青鬼と人間―18― ページ20

痛い。痛い。痛い。
どうして、こんな事されないといけないの?

「しあ…っっ。」
「A、あまり、うごくと、いたいよ?」

足が痛すぎて、感覚が消えかけている。
あぁ、もう、逃げれない。シアから、もう、逃げれない。


シアの手が体に触れる。体がビクリと震えるが、何もできない。

「あったかい、ね。
 Aの、たいおん、が、シアだけ、の、に、なる、なんて、うれしい。」
「……。」
「あ、そうだ。
 A、おなかすいた、でしょ?シアも、おなかすいた。いま、なにか、もって、くるね。」

そう言って、部屋を出ていく。


――――
――。


折られた足を見る。
痛々しく赤く腫れあがった足。

すぐに、整復(正常な位置に戻すこと)しないと。

痛み足を床に付ける。触れるだけでも痛む。そして、足に力を入れて骨を押しこむ。

「――――っう゛ぅ!…ぐぅ…っっ。」

自然と目から涙が零れるが、結局は同じ痛みを味わうんだ。


“ゴキリ”と不快な音と共に、不自然に出っ張ったものがはめ込まれる。
溜めた息を全部吐き出し、深呼吸する。
痛い。けど。さっきよりは、マシ。


扉が開き、シアが何か置かれたトレイを持って入ってくる。
そして、私の近くに座る。

「A、たべさせて、あげる、から、ね。」

コーンスープの入った器にスプーンを入れ、少しすくうと、呆気にとられた私の開いた口に容赦なく突っ込まれる。
とても……熱いです。

「あ゛っ……!」
「A?どうした、の?」
「し、しら…やけろ、した。(舌…火傷、した。)」

火傷して、呂律が回らない。

「みず…ちょうだい。」
「………。」
「…………………シア?」
「A、かわいい!!」

器をトレイに置いて、少し遠くに置いた後、私に抱きつく。
体に食い込んだ縄のせいで、もっと、痛い。

「かわいい、よ!Aっ。
 あぁ、Aを、たべなくて、よかった…。」

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楽しみ - よしシア結婚しよう (2021年4月1日 15時) (レス) id: ecd1e40978 (このIDを非表示/違反報告)
- 続きが気になりましたてとてもストーリー性もよく引き込まれました!是非続編お願いします! (2017年2月6日 23時) (レス) id: 151269d785 (このIDを非表示/違反報告)
ハガネ - 倉橋さん» 今のところは無いです。 (2015年11月8日 19時) (レス) id: f1d6272781 (このIDを非表示/違反報告)
倉橋 - 続編とかの予定あります? (2015年10月31日 16時) (レス) id: 2f20e64fbe (このIDを非表示/違反報告)
ハガネ - エネコノ純粋(ハアトさん» はい、頑張ります! (2015年10月6日 19時) (レス) id: f1d6272781 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハガネ | 作者ホームページ:('ω')ノ  
作成日時:2015年7月28日 17時

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