青鬼と人間―16― ページ18
―――――
―――。
――――体が痛い。
なにかで、とてもキツく縛られている。
ゆっくりと目を開けると、シアが私の顔を覗き込んでいた。
「――――……っシア…!」
「A、おはよう。とても、かわいい、かお、だよ。」
「何の冗談かしら…?」
「じょうだん?シアが、そんな、こと、いわない。」
部屋をよく観察する。
白く狭い部屋。私はその中央にいるのだろうか?
背中に太く固い棒のような物がある。柱だろうか?そこで縛られている。
とても、痛い。体に縄が食い込んで痛い。
「………これは何の真似かしら?」
「これ?」
「なんで、私は縛られてるのかしら?」
「なんで?そんなの、Aが、わるい、から、だよ?
Aが、うそ、ついて、そとに、にげよう、と、する、から。Aは、こうやって、うごけない、ように、しない、と。また、そとに、でよう、と、する、でしょ?
ずっと、シアの、ちかくで、いきてほしい。シアの、となり、に、いるだけ、で、しあわせ、だ。
……ねぇ、A。」
「………。」
怖い。
とてつもなく怖い。
…確かに、嘘吐いてしまったのは悪いとは思っている。
だが、たかが人間に、どうしてそんな感情を抱くのだ?
しかし、不思議とシアからは、離れたくない。という感情が、小さくあるのも事実だ。
けど、怖い。
私は何をされるのだろうか。
きっと、死ぬことよりも恐ろしい事をされるのだろうか。
「A……。」
「………。」
シアの手が私の顔に触れ、優しく指で撫でる。
「とても、やわらかい、なぁ。Aは、ほんとう、に。
もう、Aは………―――――。」
言葉が消えたと同時に呼吸ができなくなった。―――私の口がシアの唇で塞がれた。
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楽しみ - よしシア結婚しよう (2021年4月1日 15時) (レス) id: ecd1e40978 (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 続きが気になりましたてとてもストーリー性もよく引き込まれました!是非続編お願いします! (2017年2月6日 23時) (レス) id: 151269d785 (このIDを非表示/違反報告)
ハガネ - 倉橋さん» 今のところは無いです。 (2015年11月8日 19時) (レス) id: f1d6272781 (このIDを非表示/違反報告)
倉橋 - 続編とかの予定あります? (2015年10月31日 16時) (レス) id: 2f20e64fbe (このIDを非表示/違反報告)
ハガネ - エネコノ純粋(ハアトさん» はい、頑張ります! (2015年10月6日 19時) (レス) id: f1d6272781 (このIDを非表示/違反報告)
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