青鬼と人間―13― ページ15
結局、部屋の隅っこで目隠しさせて座るという条件で諦めてくれた。
――――
――。
後ろに人が居る中のお風呂って違和感を覚えしてしまう…。
「A、きもちいい?」
「!!う、うん!」
「よかった、はやく、ふく、を、きて、ぬの、を、とって。
Aを、みたい、な。」
「わ、分かったわ!だから、ちょっと黙ってて頂戴!」
さっきから心臓に悪い。
けど、黙ってもらったら、凄く視線を感じる。…あれ?確か目隠しさせたよね?
眼鏡かけてないから、ぼやけるがシアを見る。
顔の部分には白い布がボンヤリと見える。
「………見てないわよね?」
「??
シアは、Aの、からだ、みてない、よ?」
……うぅん?
――――
――。
ちゃんと服を着る。そして、シアの視界を塞いだ布を取る。
「A、おふろ、きもち、よかった?」
「えぇ、良かった。ありがとう。」
「Aが、うれしい、なら、シアも、うれしい。
……とても、いい、かおり、する。」
「そうかしら?」
ちょっとだけ、複雑な気分。
でも、此処から玄関は近いから……鍵は………――――。
―――――あった。
ポケットに小さく入っている。一年前から残ってたのかしら?
あとは、シアの目を盗んで外に出れば良いのかしら?
「A、どうしたの?」
「……い、いえ。なんでもないわ。」
シアがとても寂しそうな目をしている。
………なんでだろう。
不思議と一緒にいたい。
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