夜のお姫様 桃 ページ9
side 桃
夜中に、ぱっと目が覚めてしまった。
阿部ちゃんに合わせて足先までしっかりと掛けられた布団が、少し暑く感じる季節になってきた。
今日は、阿部ちゃんと同じタイミングで寝たから、ショートスリーパーな俺には長すぎた?
なんて思いながら、水を飲むためにキッチンへ。
また寝られるかな、と思いながら寝室に戻ると、暗闇の中からすすり泣くような声が聞こえる。
緑「さくまぁ、どこぉ?」
桃「おぉ、ごめんよ。起こしちゃった?」
急いで電気をつけて、阿部ちゃんの元へ向かうと、すんすんと鼻をすすっているだけでまだ涙は大きな目に溜まっているだけで、安心した。
緑「さくまぁ、ひとりやだぁ、」
桃「ごめんよ、阿部ちゃん。寂しかったね。」
こくんと頷いてこちらに手を伸ばした拍子に、ギリギリまで溜まっていた涙がこぼれ落ちた。
緑「さくまぁ、すきぃ、」
桃「佐久間さんも好き、」
俺が伸ばされた手を握ったからか、涙がこぼれたのにも関わらず、にこにこ可愛い笑顔。
えへへ、とか、んふふ、とか、楽しそうに笑いながら、体をゆらゆらしている。
緑「さくまぁ、ぎゅーして?」
桃「ん、おいで?」
ぎゅー、という可愛らしい効果音つきで抱きついてきた阿部ちゃんは、眠たいのかあったかい。
桃「眠い?」
緑「ん、ねむい、」
起きてからずっと、話す言葉が全部ひらがなな阿部ちゃん。
こくこくと頭が揺れ出して、俺の肩辺りにこつんとぶつかる。
桃「阿部ちゃん、横なろ?」
緑「んぅ。て、つないぎたい、」
手を繋いで寝ることをご希望しているお姫様のために、しっかりと手をぎゅっと握る。
もちろん、寒くないようにお布団の中で。
緑「おやすみ、さくまぁ、」
桃「おやすみ、阿部ちゃん。」
おでこにちゅっと口付ければ、満足そうに笑って目を閉じる阿部ちゃん。
可愛い寝顔を眺めてながら、次起きたとき、阿部ちゃんに今のこと話したら、どんな顔するかな。と考える。
すっかり真面目ちゃんに戻っている阿部ちゃんが照れる様子を思い浮かべて、微笑みながら目を閉じた。
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葡萄 - 雪男のお姫様のパスワードおしえてください (2022年2月23日 21時) (レス) id: 02f8958579 (このIDを非表示/違反報告)
青緑(プロフ) - airiさん» 『リクエストについて』にも書かせていただきましたが、ただいまリクエスト受付を停止しております。ですから、せっかくいただいたリクエストですが、お断りさせていただきます。これからも頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします。 (2021年8月13日 17時) (レス) id: 1ed3f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
airi(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読ませてもらってます!リクエストなんですけど、前の、兄弟に愛されすぎて困ってますって作品の続編って書いてもらうことは出来ますか? (2021年8月13日 9時) (レス) id: 496098c2f3 (このIDを非表示/違反報告)
青緑(プロフ) - ことねさん» それでしたら、一度作者のボードまで来ていただけるとありがたいです。お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。 (2021年8月7日 21時) (レス) id: 1ed3f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
ことね(プロフ) - コメント失礼します。パート位置から読みたいのでパスワード教えていただきたてきたいて゛すヒントは読んだのですが難しい方よくわからないです、、 (2021年8月7日 3時) (レス) id: 23425c663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青緑 | 作成日時:2021年5月30日 0時