時計 黄 ページ43
side 黄
黄「どうしたの、これ。」
これ、というのは、整頓された棚にいるデジタル時計のこと。
一週間前に初めて来たときには、素数だけが書かれていた時計しかなかったはずなのに、いつの間に買ったんだろうか。
俺レベルになったら分かるんだよ。とあんなにドヤ顔していたのに、やはり分からなかったんだろうか。
それだったら、案外プライドが高い阿部に言うべきではなかったかもしれない。
緑「あぁ、それ？デジタル時計。」
黄「それは見ればわかる。」
コーヒー二人分と俺が持ってきた二つのケーキが乗ったお盆を持った阿部が、それが何か？みたいな顔で立っている。
黄「なんで？前来たときにはなかったじゃん。」
緑「まぁ、そんなの気にしないで、早く食べようよ。」
黄「うん。でもさ、気になっちゃう。」
どうしても聞きたくてそう言えば、少し険しい顔して唇を尖らせている。
やっぱり、読めなかったんだ。阿部、意外と頑固なところあるし。と椅子に座ると、お盆を抱えた阿部が上目遣いでこちらを見た。
緑「笑わない？」
黄「うん、絶対に。だから、ね？」
緑「…照が読めないと思った、から、来たとき困るかなぁ。って、」
さっきまで俺を見ていた目は、部屋の隅を見つめている。そして、さっきまで尖っていた唇はお盆に隠されている。
なんだ、分からないんじゃなかったのか。でも、なんで笑わないか確認したんだろうか。
黄「そっか、ありがとう。でもさ、なんでさっきの聞いたの？」
緑「や、うん。俺だけが照と一緒にいる気満々みたいで、なんか恥ずかしくて。」
へへ、なんて笑う阿部に、心の中で頭を抱えた。なんて可愛いんだろう。こんなに可愛いなんて聞いてない。
黄「阿部、好き。」
緑「ぅえ？あ、ありがと、」
俺たちの間に流れている空気は、大人しくお皿の上で待っているケーキよりも甘かった。
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葡萄 - 雪男のお姫様のパスワードおしえてください (2022年2月23日 21時) (
レス) id: 02f8958579 (このIDを非表示/違反報告)
青緑(プロフ) - airiさん» 『リクエストについて』にも書かせていただきましたが、ただいまリクエスト受付を停止しております。ですから、せっかくいただいたリクエストですが、お断りさせていただきます。これからも頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします。 (2021年8月13日 17時) (レス) id: 1ed3f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
airi(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませてもらってます！リクエストなんですけど、前の、兄弟に愛されすぎて困ってますって作品の続編って書いてもらうことは出来ますか？ (2021年8月13日 9時) (レス) id: 496098c2f3 (このIDを非表示/違反報告)
青緑(プロフ) - ことねさん» それでしたら、一度作者のボードまで来ていただけるとありがたいです。お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。 (2021年8月7日 21時) (レス) id: 1ed3f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
ことね(プロフ) - コメント失礼します。パート位置から読みたいのでパスワード教えていただきたてきたいて゛すヒントは読んだのですが難しい方よくわからないです、、 (2021年8月7日 3時) (レス) id: 23425c663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青緑 | 作成日時：2021年5月30日 0時
