雪男のお姫様 part7

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そんな溺愛している彼女さんとも、喧嘩は起こってしまうらしい。
朝、エレベーターに乗ったら、岩本さんがこの世の終わりみたいな顔で立っていて、心霊現象かと思った。

黒「喧嘩でもしたんですか？」

黄「うん。ひでぇこと言っちまった、」

黒「大丈夫ですよ、」
嫌われたらどうしよう、と落ち込みまくっている岩本さんをなんとか励ましたいと思って放った言葉は、逆効果だったらしい。

黄「いや、わかんないだろ。家に帰って、実家に戻ります的な置き手紙があったらどうしよう。俺、生きていけないわ。」

黒「昼にでも連絡してみたらどうっすか？」
うん、なんて弱々しい返事をした岩本さんは、自分のディスクでこちらからでも分かるくらいに、ため息をついていた。

それから時は数時間進み、みんなお待ちかね(？)の昼休憩に。
相変わらず、この世の終わりな岩本さんは、食堂の席をしっかり陣取りながらも、ぼんやりしている。
そんなとき、岩本さんの携帯が、ブーッと鳴って、LINEが届いたことを知らせた。

黄「なんだよ、ふっかか。阿部じゃなかった、」

黒「まぁまぁ、そんなに落ち込まないでくださいよ、」
彼女さん(阿部さんというらしい)からだと思って見たら、共通のご友人だったらしく、あからさまにがっかりしている。
しかし、届いたメッセージか動画を見て、顔が緩みまくっている。

黄「ヤバい、めっちゃ可愛い。」

黒「動画だったんですね。可愛かったんなら良かったです。」
音を聞ける最小限までして動画を見た岩本さんは、可愛くて死にそうらしい。

黄「まじでこれはふっかに感謝だな。今日、阿部のこと、迎えに行こう。」

黒「仲直りできたなら良かったです。」
すっかり元気を取り戻して、昼御飯を食べ出した岩本さんを見ながら、仲直りできてよかった。と隠れて推しているラブラブカップルの幸せを喜ぶ俺であった。

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