雪男のお姫様 part7

誕生日の電話　桃 ページ22

side 桃


うわぁー！嫁が可愛すぎる！好きー！なんて、嫁のアニメを鑑賞中。
そんなとき、プルルルと鳴った俺のスマホ。
誰だよ、と思いつつ画面を見ると、まさかの阿部ちゃんで喜んで出た。

緑『もしもし、佐久間？』

桃「はいはーい、どしたの、」

緑『えへへ、』
うん、なんだ。そのめちゃくちゃ可愛い笑い方は。絶対体ゆらゆらしてるよね？
え、電話越しでも伝わってくる程の可愛さ持ち合わせてる阿部ちゃん、すごくない？好き。

桃「可愛いね？で、本当にどうしたの？」

緑『んー？明日、佐久間の誕生日だから、一番におめでとうって言おうと思って。』
それにしても早すぎない？まだ１０時半だよ？この子、もう寝る気？

桃「阿部ちゃん、もう寝ちゃうの？」

緑『うん、ねむたいから、』
電話の向こうの阿部ちゃんは、眠たそうな声で答えた。
可愛いなぁ。赤ちゃんみたい。多分、目がとろんとなってて、電話切ったらすぐに寝ちゃうんだろうな。

緑『佐久間、明日、俺の家来るよね？』

桃「うん、行くよ。楽しみだなぁ。」

緑『んふふ、俺も楽しみ。だから、早く寝るの。明日、眠たくならないように。』
神様、ごめんなさい。もう阿部ちゃんのことを赤ちゃんみたいなんて言いません。
だから、阿部ちゃんのあざとい発言をもう止めてください。めっちゃ心臓に悪い。

桃「んじゃあ、佐久間さんも早く寝よっと。」

緑『うん、おやすみ。佐久間、お誕生日おめでとう。』
ありがとう。と言って、阿部ちゃんから電話を切るのを待った。
電話が切れて、画面を見れば、ピコンと何かが届いた通知が来た。
開いてみれば、

阿部【お誕生日、おめでとう。メールでも一番だといいなぁ。】
なんて、この世の男が皆落ちるような台詞が送られてきた。
なんだ、これ。文面でもあざといってどういうこと？絶対首こてんってしてるよね？
どうしよう、なんか緊張してきた。寝られない。
そう思いながらも、必死に目を閉じて羊を数えていたら、自然と眠気がやってきて、眠りに落ちた。

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