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二人とも黙って、ちびちびコーヒーを飲んでいると、ふっかがあの、さ、と気まずそうに話を切り出した。
紫「大丈夫?何があったか、話せたら教えてほしい。」
緑「大丈夫だよ、多分。…めめと康二がキスしてるの、見ちゃっただけだから。」
そう、俺は、ただ付き合っているメンバーたちがキスをしているところを見てしまっただけ。
自分には、何も関係無いし、影響もない。と言い聞かせるように心の中で呟いた。
紫「そっか、ショックだったんだね。好きな人がキスしてるの見ちゃったから。」
緑「ちが、別にめめなんか好きじゃない、」
紫「へぇ。俺は好きな人って言っただけで、めめなんて一言も言ってないけどね。」
ヤバい、口が滑った。好きな人、ってワードに焦って、つい口にしてしまった『めめ』という名前。
あぁ、引かれる。嫌だ、ふっかだけはそばにいてほしい。俺を、一人にしないで。
紫「阿部ちゃん、そんな顔しないでよ。可愛い顔が台無しだよ?」
緑「っ、ごめん、」
無意識に、ふっかにすがるような顔をしていたのだろうか。ふっかは、俺のことを嫌いになってしまったのだろうか。
緑「ふっか、見捨てないで。わがままっていうのは分かってる。そばにいて。」
紫「ごめんね、阿部ちゃん。」
あ、終わった。俺は、同期にすら見捨てられるんだ。俺は、一人で生きていくしかないんだ。
無意識に掴んでいたふっかの服の端を離して、行き場のなくなった手を眺める。
紫「…俺、最低だから。ごめんね。阿部ちゃんがめめを好きなのも、めめが康二と付き合ってるのも、全部知ってた。」
緑「え、」
紫「なんなら、阿部ちゃんが二人のキスしているところを見てる後ろにいた。阿部ちゃんが泣いてるのに気づきながら、知らないふりして立ち去って、何も知らないみたいな顔して阿部ちゃんとぶつかった。」
何で、ふっかはそんなことをしたのだろうか。ふっかがいると知っていたら、知らぬ顔して笑っていられたのに。
ふっかの行動の意味が分からず、頭の中のめめと康二がキスしている画から、ふっかの泣きそうな笑顔に塗り変わった。
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葡萄 - 雪男のお姫様のパスワードおしえてください (2022年2月23日 21時) (レス) id: 02f8958579 (このIDを非表示/違反報告)
青緑(プロフ) - airiさん» 『リクエストについて』にも書かせていただきましたが、ただいまリクエスト受付を停止しております。ですから、せっかくいただいたリクエストですが、お断りさせていただきます。これからも頑張りますので、応援のほどよろしくお願いします。 (2021年8月13日 17時) (レス) id: 1ed3f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
airi(プロフ) - はじめまして!いつも楽しく読ませてもらってます!リクエストなんですけど、前の、兄弟に愛されすぎて困ってますって作品の続編って書いてもらうことは出来ますか? (2021年8月13日 9時) (レス) id: 496098c2f3 (このIDを非表示/違反報告)
青緑(プロフ) - ことねさん» それでしたら、一度作者のボードまで来ていただけるとありがたいです。お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。 (2021年8月7日 21時) (レス) id: 1ed3f7c2fe (このIDを非表示/違反報告)
ことね(プロフ) - コメント失礼します。パート位置から読みたいのでパスワード教えていただきたてきたいて゛すヒントは読んだのですが難しい方よくわからないです、、 (2021年8月7日 3時) (レス) id: 23425c663f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:青緑 | 作成日時:2021年5月30日 0時