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アサヒからキスをされた瞬間、完全に私のリミッターは外れたようだった。

大通りから少し外れた人気のない路地で私達は唇を求めあった。アサヒのキスは2年前よりも少し優しくなっていた。


A「・・・・・」

アサヒ「・・・・・」


私達は何も話すこと無くしばらく見つめ合った。腰に手を回しながら。

そしてまるでお互いが両思いだと確信したかのように歩き始めた。


A「・・なんであの時別れたかったの?」

アサヒ「・・・ごめん、自分でもよく分からなくて、でも受験のために勉強頑張ってるAを見て自分の出来なさを感じたっていうか、」



なんとなく感じてはいた。私とアサヒはそれぞれ違う大学の推薦入試を受けていた。もし二人とも受かれば冬休みはどこか遠出したいな、などと思っていたのだが結果は私のみ合格。
アサヒは一般入試に向けてより勉強に励まなければいけなくなった。

合格と不合格、アサヒにとっては耐え難い事実だったのかもしれない。



A「じゃあ付き合おうよ、また」

アサヒ「・・付き合いたいね」

A「彼女と別れてよ」

アサヒ「・・・でもA、大学県外だから会えないじゃん」

A「それはそうだけど・・」



私は完全に舞い上がっていた。アサヒに振られてから2年間、あんなに忘れようとしても忘れられなかった好きな人が自分にキスをした。これはもう私のことが好きって解釈で良いんじゃないの?
そんな行き過ぎた妄想が私の頭の中を支配した。

彼女に指示されて上げていたストーリー、別れたことを後悔したというアサヒの発言、そしてキス。私は完全に今のアサヒの彼女に勝った気分だった。


アサヒ「今日はもうばいばいしよう」

A「え?」

アサヒ「もう会わないようにしよう」

A「なんで」

アサヒ「・・・」



普通ならこう言われた時点で察する。でもこのときの私は普通じゃなかった。

「分かった」そう言って私達は突然別れたのだが、私の中には謎の自信があった。


『やっぱりアサヒとは運命なのかもしれない』


夢に幾度となく出てきてずっと忘れられなかったアサヒ、そんな彼に今日こうやって再会した。
まるで運命じゃない?これはもう復縁して結婚ルートじゃないの?きっと私達はまた会える、そう思いながらも涙が一筋頬を伝った。

決意→←キス



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設定タグ:treasure , アサヒ , ハルト   
作品ジャンル:恋愛
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cooky(プロフ) - とてもおもしろいです!続き楽しみにしております! (2022年4月15日 23時) (レス) @page23 id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ひくん | 作成日時:2022年3月7日 0時

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