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A「今日は酔ってないんだ?」
アサヒ「うん、あんま飲まなかった」
前回と比べ呂律も動きも安定しているアサヒはほとんど酔っていなかった。
私達は行く当てもなくただ話しながら寒い冬の夜を歩いた。
人通りの少ない裏路地に入るとアサヒは角にあった柵に腰掛け、突然私の腰を引き抱きしめた。
A「ちょっ、人いるから、」
アサヒ「いや?」
A「違う、、恥ずかしい、」
路地裏と言っても人は通るわけで、人前でハグをすることはいくら好きなアサヒであっても少し恥ずかしかった。
そしてまた歩き出し、ベンチのある広い通りに出た。そして二人で腰掛けたのは良いものの、私は寒さで死にそうだった。
A「ねえ寒いんだけど!」
アサヒ「寒いね」
アサヒ「てかドレスなんか着ちゃって」
A「かわいいでしょ」
アサヒ「お前にドレスはまだはえーよ」
そう笑って言うアサヒにまた私はドキドキする。
A「なんでよ〜、てか本当に寒い、どうにかして」
ドレスは半袖でヒートテックも何も着ずに、ただ一枚コートを羽織っているだけの私は本当に凍死するのではないかと思うほどの寒さだった。
アサヒ「もう皆のところに戻ったほうが良いよ」
A「は?なんで??」
アサヒは今みたいに突然私を帰らせたがる。
それは突然来る罪悪感からなのかまた別に思うことがあったのか、結局分かることはなかった。
A「いやだ帰らない」
アサヒ「じゃあカラオケでも行く?」
A「あり!」
とにかく暖かいところに入りたかった私はすぐOKして、さっきまで皆といたカラオケとは別のカラオケに向かい歩き始めた。
歩いている間私達はしっかり手を繋ぎ、その手をアサヒは自分の上着のポケットに入れた。
A「今日は彼女と会うこと無いから手繋げるんだ?」
アサヒ「うん」
さっき話していたときに彼女について聞いたら、どうやら彼女は今、明日の成人式に出るために地元に戻っているらしい。アサヒは彼女に会いに来て欲しいと言われたため、明日の朝早くから電車で数時間かけて彼女に会いに行くと。
堂々と「うん」と答えたアサヒに少し笑ってしまいそうだった。
次はいつ会えるかわかんないから、後で見返すように二人が歩く足元を何枚かスマホで撮っておいた。
時刻は夜中の3時、カラオケに入った。
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cooky(プロフ) - とてもおもしろいです!続き楽しみにしております! (2022年4月15日 23時) (レス) @page23 id: 55ebdcbd41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひくん | 作成日時:2022年3月7日 0時