蝕め、呪詛【d！】

No,8 ページ9

『……やばいな、どうしようかな』


Aは時計を見て頭を抱える。
どうやら、昼過ぎまで寝込んでいたらしく、短針は1を指している。

それだけではない。


体があちこちで痛み、動こうとすると、自然と脳が拒む。



『うわぁ…最悪…』

自身の両腕で目元を隠して今の現状に落胆する。

そんなAの部屋の扉が三回ノックされた。




rb「A、起きとるか？」

『……うん、起きた』

rb「あぁ…w今起きたんか」

ロボロが昼食らしきものをお盆に乗せ、部屋に入ってくる。

こんな時間だ。
きっともうみんなは食べ終わっているだろう。


rb「はい、Aにとっては朝食やな」

『ありがとうだけど、本当に最悪…』


rb「しゃーないな、疲れとったんやし」


Aは、こんなつもりでは無かったという表情をし、
自分を何度も悔やんでいる。


『シッマとゾムは？』

rb「二人とも訓練、せやから俺が来た」

『まぁ、そうだろうね。早く私も行かないと』


動き出そうとするAにロボロがストップを掛ける。
絶対に行かせない、とでも言うような行動だ。

rb「まだ体万全じゃないやろ、今日は休んだらどうや」

『ミシェルの件もあるし、休んでられない』



rb「アホ、お前はいつも無理ばっかりして…今日は俺も厳しくするで」


こうなったロボロは何を言っても聞かないことをAは知っている。
だが、Aも簡単に休む訳にはいかない。


『行かせて』

rb「何度言われても答えはNOや」


これでは拉致があかない。

そこで、ロボロは一つ提案する。

rb「昨日の霊媒師のこと教えてや、俺も手に入れた情報あんねん」


rb「解呪については俺らしか知らんし、情報共有にええ機会やん」

『……』

これは無駄なことでは無い、と納得したAは、
やっと箸を手に取り、食べながら話す体制に切り替えた。




rb「霊媒師には会えたん？」

『まぁね』

rb「解呪については？」

『ロボロが手に入れた方法で間違い無かった』

rb「……」

そこは否定して欲しかったと、心底ロボロは思った。


あんな方法、誰だって信じたくない。


『確信持てたし、これから色々準備してく』

rb「二人には何て説明するんや」

『別に説明なんていらない、協力してって言えばしてくれる』

Aが考えていることは三人にも分からない時がある。
それでも、Aを信じて協力する。




それが唯一のAの仲間だ。

No,9→←No,7

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す