No,38 ページ39
rb「それって、どういう……？」
『さぁね』
Aは最後まで意地悪だ。
真相をはっきりと明かしてくれない。
『やっと、解放されるなぁ…』
kn「俺達を残して死んでくんやぞ…！何の悔いもないんか！！」
『悔い、かぁ…』
kn「…！」
コネシマはAの顔を見て、酷く驚いた。
Aの瞳から、ボロボロと涙が溢れていたからだ。
しかも、その瞳はとても綺麗に輝いていた。
『悔いしかないよ……っ』
zm「……A、全部、吐き出してええんやで」
ゾムの優しい言葉と、死という言葉の恐怖で、
Aの中で、我慢していた糸がプツッと切れた。
そして、溜め込んでいたものが全て、
言葉となって出てくる。
『さっきは幸せとか言ったけど……もっと、一緒に、いたかったなぁ…っ』
kn「A……」
rb「大丈夫。大丈夫やで？俺らがおるよ」
両手でAの手を取り、
自分らの存在を証明するように、強く握る。
『死ぬの、怖いなぁ…』
初めて、Aが出した弱音だった。
顔はグチャグチャになり、しずらいであろう呼吸も、
涙と鼻水のせいで、もっと呼吸が乱れる。
付けていた仮面が崩れ落ちた瞬間だった。
『どうせなら、最後にお願いしちゃおうかな』
zm「…？」
『三人とも、死んだら許さないよ』
Aはそう言って、笑った。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
zm「……ん、あれ？」
rb「…んぅ」
目を開ければ、そこは医務室で、
Aが眠った真っ白なベッドを囲むようにして、
幹部全員が眠っていた。
kn「…………夢か」
舌を切られたAが喋れていたということは、
本当に夢だったのだろう。
故に、三人以外は眠ったままだ。
rb「三人で同じ夢見るとか……ははっ、笑えんわ」
zm「………今晩」
ut「ごめん、助けられへんかった…」
rb「……は、？」
手術室から出てきた鬱は、申し訳なさそうに、
そして、涙を堪えているのか、歯を食いしばる。
ut「あの時、そして今、生きてるのが奇跡」
gr「……いつまでだ」
ut「…もって今晩。それが最後のAちゃんとの………いや、」
ut「Aと過ごせる時間」
鬱に告げられて、絶望して。
そのまま最後までAの側にいようってことになって。
恐らく、そのまま寝落ちしてしまったのだろう。
kn「あの夢、全部事実なんかな…」
zm「嫌やぁ……俺も一緒にいたかった…」
rb「……A、お疲れ様」
拝啓A、ご冥福をお祈りいたします。
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ラム猫。(プロフ) - くろほたるさん» ありがとうございます！実は続編も出そうか悩んでいるので、その時はまた読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月25日 20時) (
レス) id: 02801ed11f (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - 最後はやっぱり彼らの事が大好きだという言葉が見えて満悦です。死後世界組の関係も個人に刺さりまして起承転結全て楽しめました。執筆お疲れ様です！とても面白かったので周回できます！ (2023年1月25日 18時) (レス) id: fe43882e7d (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 感動して頂けたなんて光栄です！なるほど…今作はここで打ち切りの予定でしたが、続編も考えて見ます！ (2022年11月28日 18時) (レス) id: c372fc4406 (このIDを非表示/違反報告)
らねい(プロフ) - 今更ですが全話読みました、めっちゃ感動しました！個人的な感想ですが、wrwrdの皆が過去に戻って夢主ちゃんを救うみたいな展開があったらエモすぎる…次の作品も楽しみにしてます‼️ (2022年11月28日 17時) (レス) id: 2c672365af (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 狐の巫女さん» ありがとうございます！！語彙力の無さで理解して下さり、嬉しいです！！ (2022年11月5日 18時) (レス) id: 51f19f872f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ラム猫。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年10月2日 22時
