蝕め、呪詛【d！】

No,37 ページ38

zm「A！！大丈夫か！！？」

『う“ぅ……あ”、…』

胸を抑え、顔を歪めてとても苦しそうに唸るAは、
信じられない程に、弱々しく感じた。



まるで、死に至る直前のように。



ut「Aちゃん、僕に合わせて深呼吸出来る？」

『あ“………ﾋｩ…い“…ﾊｧ』

ut「アカン………救護班、器具の準備を至急！」

Aの様子に危機感を覚えた鬱は、
インカムを素早く操作して、救護班に指示を出す。


ut「シッマ、そっち持って。チーノはこっち。マンちゃんはこっち頼むわ」

ci「了解です」

os「もちろん」



Aを手分けして持ち上げ、ゆっくりと運ぶ。







rb「なぁ、何で？何で最後まで上手くいかへんの？」

zm「A、急にどうしたんや……」


gr「……」

tn「…グルさん？」

gr「また後で」

tn「え？」

たった一言呟くグルッペンに、残された者は不思議な顔をする。
そんな皆にグルッペンは続ける。



gr「ミシェルは、最後にそんなことを言っていたな」

zm「！…………ぇ」

em「待って下さい！それは行き過ぎた憶測ですよ…！」


まさかここまでミシェルの計画通りだったと言うのか。

Aが死ぬなんて………考えられなかった。


舌を無くした挙句、命まで奪われるなんて………残酷だ。



















＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿







夢を、見た。



















白いベッドに横たわったAは、
とても苦しそうで、息もあるか無いかぐらいの浅い呼吸だった。


そこに、彼ら三人はいた。



zm「…Aの嘘つき、死なへんて言ったやん…」

『ゾム、私は嘘はついてないよ』


弱々しい手でゾムの頬をなぞる。
その手に自分の手を重ねたゾムは、これでもかと言うくらい、

強く握り返した。


『私は、ミシェルを倒すまでは死なない……そう言っただけ』

zm「そんなん……ｯ、ズルやん…」

ズビズビと鼻を鳴らして大粒の涙を零す。


ゾムの顔は今まで以上に酷いことになっていた。




rb「…俺らは、ただ、Aに…幸せになって欲しくて…」

『私は十分、幸せだよ』

涙のせいで鬱陶しく感じる雑面を外し、
ロボロは頭をグシャグシャにして泣いた。



『…コネシマ？』

kn「……」

ずっと唇を噛み締めて何も発さないコネシマに、
Aは視線を移して、首を傾げる。



『……怒ってる？』

kn「当たり前やろ」

コネシマはとても悔しそうに顔を歪め、
スカイブルーの目は大きく揺らいでいた。

kn「勝手に死ぬとか……許さへんぞ」

『……』




『ごめん、最初からこのつもりだったの』


Aの言葉に一同は目を丸くする。

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