蝕め、呪詛【d！】

No,33 ページ34

gr「皆の者、ご苦労であった。我々の勝利だ」

長い戦争を終え、無事勝利を収めたグルッペン一同。
急な戦いでありながらも、この実力は誇るべきものだろう。


os「お疲れ様、みんな〜！恒例の祝賀会でもやって、疲れ取ろうや！」

ci「あの、それは別にええんやけど……」

em「何故急にこんな戦争を…？」


皆が疑問に思っていたことだ。



tn「俺らにも分からんねん。誰かが勝手に宣戦布告したか、何かの勘違いか…」

sp「トントンさんが分からないって……」

一同が頭を抱えている中、低い声が耳に入ってきた。



gr「お前らだろう？」


指を指すのは、ロボロ、コネシマ、ゾム、A。

rb「せやな」

sh「やっぱりか……」

当たり前、とでも言うような表情をする四人にシャオロンが言葉で突っかかる。
相当、頭に来ているのだろう。

sh「何勝手なことしてんねん！！俺らに相談もせずに！！」

kn「でも、勝ったやろ？問題ないやん」

sh「はぁ！？」


顔を真っ赤にして怒るシャオロンの横から、
鬱が恐る恐る手を上げて、口を開く。



ut「ミシェルちゃんは？おらんくない？」


sp「え」

ht「いない！？何で！？！？」


鬱の言葉で気づいたのか、ざわつき始める。

中には、インカムに手を伸ばし、連絡を試みる者もいた。



『あぁ、あの女は地下牢だよ』

tn「は？」

さらっと重大なことを述べるA。


それに我慢ならなかったのか、シャオロンが胸ぐらを掴んだ。



sh「お前、いい加減にしろよ！？勝手に戦争起こして、仲間を地下牢？ふざけんな！！」

『そうやってすぐ手を上げるのもどうかと思うけど？』

sh「自業自得やろが。お前が余計なことをしなければ、ここまでせんわ」

言い合いが止まらない二人の間に、ゾムが入り、
シャオロンをAから遠ざけた。

zm「話最後まで聞けや」


sh「…ｯﾁ」



八つ当たりか、シャオロンは壁を一発蹴る。

だが、Aは動揺することなく、平然とした表情。



rb「これ、見てみ」

gr「…？何だこれは」

数枚に束になった紙を代表してグルッペンに渡す。


その内容を見たグルッペンは息を呑んだ。


rb「ミシェルの出身国、経歴書、これまでの悪事態。それらをまとめた物や」


次々とその紙を手にする幹部達は、顔を青ざめ、
信じられないというように目を丸くする。

『ミシェルはスパイ、これで分かるでしょ？』


kn「なぁ、大先生。これ見てもまだAを屑な女として見るか？」

ut「…」

皆が押し黙り、沈黙が続く。



sh「認めへんぞ俺は。お前はミシェルに酷いことしたんや、絶対そうや」

ht「あんな優しい子がスパイなわけ…」

No,34→←No,32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す