蝕め、呪詛【d！】

No,29 ページ30

gr「では、諸君……戦争をしよう」


sp「……」

sh「……」


戦争開戦日。

四人を除く幹部達は、とても不満そうな表情だった。
突然訳のわからない戦争が始まるのだ。

納得できるわけがないだろう。



『さーて、行きますか』

kn「A、死ぬなよ」

『はいはい』

コネシマとは別部隊のため、別れてゾムと前線まで走る。
向かっている途中、インカムから連絡が入った。

恐らくロボロだろう。


rb〈聞こえるか、二人とも〉

zm「バッチリやで」

『問題なく』

予想通りの声に動揺することなく、二人は部隊を引き連れて耳を凝らす。
勿論、周りの警戒も怠らない。


『本部は？』

rb〈今のところ異常はなし。ミシェルも焦ってたで〉


ミシェルは幹部歴は浅い為、前線までは流石に出ることは出来なかった。
そう、それがこの国の掟の一つ。



ms「くっそ……何が起きてんのよっ…Aめ…」


Aは、とても悔しそうに焦っていた様子を思い出す。

多少、D国に情報共有はされているだろうが、
しばらくは心配いらないだろう。




『はい、退いて』

「！？…ｸﾞﾊｯ！」


襲ってきた敵を持っていたナイフを飛ばして、心臓に刺す。
肋骨の間を上手く貫通したようで、男は動かなくなった。

zm「連絡中に流石やな」

『当たり前』

この日のためにいくつもの特訓を重ねてきた。



殴られようが、邪魔されようが、知ったことではない。





『いい？作戦は分かってるね？』

zm「ちゃんとフォローするで」

rb〈ナビは任せとき〉


この先の運命を決める戦争となるだろう。













＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿






sh「マジ、どうなってるんや……！」

愚痴を漏らしながらも、目の前の敵を片付けていくシャオロン。
その近くには、コネシマの部隊もいる。

kn「文句の前に、手動かせや」

sh「やってるやろが…！」


この二人は、昔からよく喧嘩して来た仲だ。


これでも実力はそこらの軍人よりは圧倒的にしっかりある。


sh「これ、Aが仕組んだんやろ……？」

kn「何の言い掛かりや、戦争中によそ見すんなよ」

sh「……ふん、知らんわ」

今回は、やけにピリピリとした空気が漂っている。

呪われて洗脳されているシャオロンは、
Aのことになるととても苛立ち始める。


sh「これ終わったら、ぶん殴ってやる」



















ms「やられる前に殺ってやる……」

流石のミシェルも危機を感じているのだろう。
普段よりも強い気を放っていた。


ms「A、あなただけは許さない」




待ってろ、すぐ殺してやる。

No,30→←No,28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す