No,27 ページ28
gr「は……………？」
os「どしたん？」
gr「これを見てくれ」
グルッペンはオスマンに一つの紙を差し出す。
その紙に目を通したオスマンは目を丸くした。
それは、D国への宣戦布告書に印が押されたものだった。
os「何や…これ……」
tn「何やねん」
os「見てみ？」
tn「ん？………はぁ！？何やこれ！！聞いてへんぞ！！」
三人はD国に宣戦布告した覚えがない。
しかも印がしてあるということは、D国が了承したということだろう。
gr「お前も知らないのか」
tn「知らんわ、てか会議しとらん」
戦争を起こす時には、必ず幹部が召集され、全員の了承を得ないと始まらない。
しかし、その会議は今回一切無かった上に、
召集をかけるグルッペンとトントンさえ、知らないのだ。
tn「俺らが知らんってことは…」
os「誰かが無断で宣戦布告した…？」
gr「……」
グルッペンには、何故かその犯人が分かる気がした。
先日のことがあったからだろうか。
gr「とりあえず、幹部全員に至急知らせろ」
os「戦争すんの！？」
gr「向こうも了承してるんだ。するしかないだろう？」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
rb「A〜？居る〜？」
軽く扉をノックするも、返事はない。
寝ているのかと疑問を持ったロボロはそっと扉を開ける。
鍵はかかっていないようだ。
rb「A？」
部屋には姿が見当たらない。
一瞬焦ったが、微かにシャワーと思われる水の音が耳に入り、
ほっと胸を撫で下ろし、安堵した。
風呂に入っているみたいだ。
rb「…ん？何やこれ…」
机の隅に置かれたいくつかの何かを手に取るロボロ。
それは………薬、だった。
rb「何の薬や、これ」
ロボロが知らない霊媒師から貰った薬か何かだろうか。
薬を見つめていると、奥から音が聞こえて来たので、
慌てて無意識に一粒ポケットにしまった。
『……ん、ロボロか』
rb「いるの、分かってたん？」
『気配がしたから、誰かしらいると思ってたよ』
私服姿のAは、濡れたままの髪を首にかけてあるタオルで拭きながら姿を現す。
そういえば、Aは気配を感じ取るのが得意だった。
ゾムと同じ、暗殺部隊の一人なのだから。
『で、どうしたの？』
椅子に腰を掛けたAは、丁度ロボロと目線の高さが同じ。
じっと見つめ、ロボロの返事を待つ。
rb「体調は？」
『もう平気』
rb「じゃあ本題、宣戦布告書出したで」
それを聞いたAは手を止める。
そして、口元を悪く歪ませ、舌舐めをした。
『そっかー……楽しみだね』
Aの瞳は鋭く光っていた。
楽しみだ、というように。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 333人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラム猫。(プロフ) - くろほたるさん» ありがとうございます！実は続編も出そうか悩んでいるので、その時はまた読んでくださると嬉しいです！ (2023年1月25日 20時) (
レス) id: 02801ed11f (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - 最後はやっぱり彼らの事が大好きだという言葉が見えて満悦です。死後世界組の関係も個人に刺さりまして起承転結全て楽しめました。執筆お疲れ様です！とても面白かったので周回できます！ (2023年1月25日 18時) (レス) id: fe43882e7d (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 感動して頂けたなんて光栄です！なるほど…今作はここで打ち切りの予定でしたが、続編も考えて見ます！ (2022年11月28日 18時) (レス) id: c372fc4406 (このIDを非表示/違反報告)
らねい(プロフ) - 今更ですが全話読みました、めっちゃ感動しました！個人的な感想ですが、wrwrdの皆が過去に戻って夢主ちゃんを救うみたいな展開があったらエモすぎる…次の作品も楽しみにしてます‼️ (2022年11月28日 17時) (レス) id: 2c672365af (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 狐の巫女さん» ありがとうございます！！語彙力の無さで理解して下さり、嬉しいです！！ (2022年11月5日 18時) (レス) id: 51f19f872f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ラム猫。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2022年10月2日 22時
