検索窓
今日:19 hit、昨日:8 hit、合計:92,510 hit

No,26 ページ27

『…何が言いたいの?』


分かっているのに分からない風に返事をするA。

表情は真顔でも、顔は真っ青。


流石のAも誤魔化しきれない。


kn「お前、呪われかけとるやろ」

『何言ってるの?そんなことがある訳ないでしょ?』

kn「一度呪われかけた俺には分かる」


抗えない吐き気、立ちくらみ、頭痛。
そんな苦しみを知っているから。


だから、コネシマは気づくことが出来た。




kn「ミシェルに会って、呪われかけた。違うか?」

『私達はカプセルを飲んだんだよ?』

kn「そのカプセルを…!!」

コネシマは顔を歪める。



kn「お前は、…飲まなかったんちゃうか」


その言葉を聞いたAは、やっとコネシマの顔を見た。

色がないその目でじっとコネシマを見つめた後、
「降参」と、一言呟き、体を起こす。

『あのカプセルは三人分しか無かった』


Aが霊媒師から貰ったカプセルの数は三つ。


薬を作るには、貴重な素材がいるそうで、
手に入ったのはそれだけだった。


だから、あの時、Aはカプセルを飲まなかった。



kn「何で、…俺らを優先したんや」

『呪われたら厄介だし。敵側に回られたら困る』

楽になって来たのか、Aの顔は涼しい顔に戻っていた。



『……コネシマはさ、』


コネシマが反論しようと言いかけた時、
Aが遠くを見つめるように口を開いた。



『何で、私の味方してるの?』


予想していなかった質問に、コネシマは唖然とする。
普段のAがするような質問では無かったからだ。


しかし、コネシマの中で答えは一択だった。



kn「お前が好きやから」

『……』

真っ直ぐ、スカイブルーの瞳をAに向ける。


kn「好きやから、大切やから、仲間やから。だから守りたいねん」

『そっか』

kn「この好きは、どっちの意味でも言ってるからな」

ゾムに続けて、コネシマまで言うとは。

でも、今のAは感情がない。
愛され方を忘れたAに、その返答が出来なかった。


『それ、もうちょっと早く言ってほしかった』


それくらいしか、言えなかった。

No,27→←No,25



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (161 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
333人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , d! , 無能パロ   
作品ジャンル:ファンタジー
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ラム猫。(プロフ) - くろほたるさん» ありがとうございます!実は続編も出そうか悩んでいるので、その時はまた読んでくださると嬉しいです! (2023年1月25日 20時) (レス) id: 02801ed11f (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - 最後はやっぱり彼らの事が大好きだという言葉が見えて満悦です。死後世界組の関係も個人に刺さりまして起承転結全て楽しめました。執筆お疲れ様です!とても面白かったので周回できます! (2023年1月25日 18時) (レス) id: fe43882e7d (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 感動して頂けたなんて光栄です!なるほど…今作はここで打ち切りの予定でしたが、続編も考えて見ます! (2022年11月28日 18時) (レス) id: c372fc4406 (このIDを非表示/違反報告)
らねい(プロフ) - 今更ですが全話読みました、めっちゃ感動しました!個人的な感想ですが、wrwrdの皆が過去に戻って夢主ちゃんを救うみたいな展開があったらエモすぎる…次の作品も楽しみにしてます‼️ (2022年11月28日 17時) (レス) id: 2c672365af (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 狐の巫女さん» ありがとうございます!!語彙力の無さで理解して下さり、嬉しいです!! (2022年11月5日 18時) (レス) id: 51f19f872f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ラム猫。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2022年10月2日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。