蝕め、呪詛【d！】

No,25 ページ26

kn「Aは、誰よりも苦しんでるんやぞ！」

rb「そんなん分かっとるわ…！」


分かってるんだ。

でも、Aがやりたいことなんて、ロボロに理解は出来ない。


あの解呪の方法も、本当は止めなくてはいけないことなのだろう。



『ロボロ』

rb「！？…A！！いつの間に！？」

壊れた扉から現れたAはその言葉を無視して、一つの紙を突き出す。
それを代表してロボロが受け取る。


そこには、D国への宣戦布告状が書かれていた。



『準備、出来たから…後は頼んだ』

rb「…分かった」


準備ができたと言うのは、戦争準備が整ったと言うことだろう。


後は、この紙をD国へ提出するだけ……なのだが。

流石の三人もAの違和感に気づいた。



zm「顔色悪いで？A。休んだ方がええんちゃう…？」

『ん、大丈夫』

rb「いや、休めや。じゃないと、戦争どころの話じゃなくなってくるやろ」

そう言うも、帰ってくる返事は「大丈夫」という一言。
休む気は一切ないのだろう。


rb「休め、でなければ、これ提出しないからな」


ピラっと、先程の紙を見せる。


それをAはじっと見つめ、黙り込む。
Aの顔をは真っ青だった。



『…分かった』

zm「大丈夫か？俺、運ぶで」

『良いよ、別に』

無理矢理Aをおぶったゾムは、早足で、でも揺らさないように部屋まで運ぶ。
コネシマもその後に続いた。






zm「ミシェルに何かされたんか？」

『されてない、カメラ見てたから分かるでしょ？』

zm「！」

『何で分かったの、って顔してる…ランプ点いてるから』


監視カメラは誰かがそのカメラを操作していると、必ず赤いランプが点く。
それにAは気づいていたのだ。


『ロボロが確認できるように、あえて監視カメラの近場で話してたの』



流石。ゾムはそう思った。


そこまで考慮して動いていたなんて。
自分だったら出来ないと、改めてAの凄さに驚かされる。



『運んでくれてご苦労様、もう大丈夫』

zm「ん、ゆっくり休めよ」

ベッドに寝かせたゾムは、急いでダクトからロボロの元へ戻っていく。





『…帰らないの？』

kn「俺、分かんねん」


一人戻らないコネシマにAは、天井を見ながら話しかける。
コネシマの表情はAの視界にはギリギリ入っていなかった。


『何が』

kn「お前がただ単に具合悪くなってるんちゃうってこと」

No,26→←No,24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す