蝕め、呪詛【d！】

No,24 ページ25

zm「え！？ロボロ戻ったん！？」

kn「あぁ、聞いとらんかったんか」

幹部棟の廊下にゾムの声が響き渡る。


ロボロを誰よりも心配していたゾムにとって、嬉しい知らせだったのだ。

驚くのも無理はないだろう。




zm「というか、Aは？」

kn「知らん、ちょっと出てくるって言ったきり…」

zm「最近、そういうの多ないか…？」


ここのところ、Aの姿を見ることが無くなった。


訓練時間、食事時間、就寝時間など、決まった時間にしか姿を現さない。
そんなことが3日ほど続いていた。

二人でしばらくそれについて話し合い、ロボロなら何か知っているかもしれないと、

情報管理室管理官へと足を進めた。
















rb「A？何も聞いとらんけど？」


大量のモニターを前に作業していたロボロは、椅子をくるっと回して振り返る。
そして、頭に？を浮かべながら、ヘッドフォンを取り外した。


kn「お前も分からんのか、じゃあ分からんわ」

zm「何してるんや……？」


謎が深まる場に、ロボロが「ちょっと待って」と、ヘッドフォンを首にかけたまま、
モニターへと向き直り、何やら手を動かし出す。


数秒経った後、あっ…、と呟いた。




rb「おった、A」

zm「え、どこ？」


ここと、ロボロは画面を指差す。


確かにそこにはAと………ミシェルがいた。




kn「……ｯﾁ、またミシェルかよ」


何処からか湧き上がってくる怒りにコネシマはイラつく。


先日邪魔してきたばかりだ。
また余計なことをしようとしているのではないかと不安を抱く。


ロボロはヘッドフォンを耳元へ持っていき、音声を拾う。



rb「……」

kn「どうや」

無言で集中して会話を聞くロボロに、聞こえない二人は問う。


rb「ミシェルの目的をAが聞き出しとる」

kn「それに何て答えとんのや」

rb「……Aの不幸を見たいって」


その言葉の意味を理解したコネシマは、耐えきれなかったのだろう。
扉を蹴り飛ばし、顔を真っ赤にして怒った。


一方ゾムは、悔しそうに口元をキュッと結び、固く閉じている。




rb「…扉、直せよ」


kn「知るか、んなもん」

コネシマは口をへの字に曲げる。
この時のコネシマから出てくる言葉はいつも決まっている。

kn「扉よりもAの方が大事やろが。直すとかどうでもええやろ？」


そう、屁理屈だ。

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