No,19 ページ20
zm「…A」
『ん?』
zm「……あのさ、久しぶりに酒飲まん?」
あれから2日後だろうか。
ゾムの口からそんな言葉が漏れた。
普段なら言わないような内容にAは少々驚く。
『珍しいね』
zm「え、いや……気分転換?」
『本音は?』
zm「え………やっぱAには敵わんな」
ゾムの嘘をあっさり見破ったAに、
困ったように微笑む。
zm「ロボロ、心配なんよ……そのせいか、最近落ち着かんくてさ…」
『…あぁ、そう』
あの時以来、ロボロは一回も部屋から出ていない。
食事の時間も顔を出さないものだから、
コネシマが毎回部屋の前まで食事を運んでくれているらしい。
『会いにいきたかったら、行けば?』
zm「で、でも……Aダメ言うたやん」
『ダメとは言ってない』
壁にもたれかかり、Aは天井を軽く見上げる。
『ただ、気持ちを整理させてあげたらいいんじゃないってアドバイスしただけ』
Aの瞳は、ミシェルの件から濁ってしまった。
何の感情も光も持たない瞳。
ただただ、憎しみしか詰まっていない瞳。
そんな瞳が、今はゾムには何故か優しく感じた。
きっと、Aなりにロボロを気遣っている証拠だろう。
『酒飲みたいんでしょ?バルコニー出るよ』
zm「おん!」
二人は酒を手に、バルコニーへと出る。
酒を飲みながら、雑談しているうちに、酔ってきたのか、
二人とも30分後には顔が真っ赤だった。
___________
kn「ん、これトントンからの追加の書類」
ut「またぁ〜?もうええって……」
トントンから預かった書類を鬱に手渡し、
踵を返して医務室から出ようと動く。
ut「シッマ」
kn「何や?」
呼び止められたコネシマは、素直に立ち止まる。
ut「あのさ、最近ここの薬が勝手に無くなってんねんな」
kn「薬が?勝手に?」
ut「誰かが無断で持っていってるんやろうけど……知らん?」
薬なんてものに興味がないコネシマが知る筈も無かった。
そもそも、無断で持ち出すとは何だ。
どのようなメリットがあってやっているか。
コネシマの頭の中では、ミシェルか?という仮説しか出てこない。
kn「知らん」
ut「そか……結構貴重なもんも盗まれてるんよなぁ…」
鬱は、困った、と呟き、考え込むように腕を組む。
kn「ちなみにどんな薬が無くなってるん?」
ut「いやそれがな?規則性がないねん。色んなタイプの薬が無くなってるんよ」
尚更コネシマには分からない。
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ラム猫。(プロフ) - くろほたるさん» ありがとうございます!実は続編も出そうか悩んでいるので、その時はまた読んでくださると嬉しいです! (2023年1月25日 20時) (レス) id: 02801ed11f (このIDを非表示/違反報告)
くろほたる(プロフ) - 最後はやっぱり彼らの事が大好きだという言葉が見えて満悦です。死後世界組の関係も個人に刺さりまして起承転結全て楽しめました。執筆お疲れ様です!とても面白かったので周回できます! (2023年1月25日 18時) (レス) id: fe43882e7d (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 感動して頂けたなんて光栄です!なるほど…今作はここで打ち切りの予定でしたが、続編も考えて見ます! (2022年11月28日 18時) (レス) id: c372fc4406 (このIDを非表示/違反報告)
らねい(プロフ) - 今更ですが全話読みました、めっちゃ感動しました!個人的な感想ですが、wrwrdの皆が過去に戻って夢主ちゃんを救うみたいな展開があったらエモすぎる…次の作品も楽しみにしてます‼️ (2022年11月28日 17時) (レス) id: 2c672365af (このIDを非表示/違反報告)
ラム猫。(プロフ) - 狐の巫女さん» ありがとうございます!!語彙力の無さで理解して下さり、嬉しいです!! (2022年11月5日 18時) (レス) id: 51f19f872f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラム猫。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2022年10月2日 22時