蝕め、呪詛【d！】

No,17 ページ18

ut「どう、グルちゃん。平気？」

gr「あ、あぁ……」

肩はもう大丈夫そうだが、表情は曇ったままだった。
下を俯き、ロボロをまるで見ない様にしているかのように。


こんなグルッペン、中々見れないだろう。


ut「ロボロも、怪我は？どっか痛むとかあらへん？」

鬱はロボロに手を差し伸ばすが、すぐに振り払われてしまった。

ht「ロボロ、何があったかは知らない。でも、怪我をしているなら大先生に見て貰った方がいい」

em「話はそれからです」


rb「………んな…」


em「え？」

sp「な、何て？」


聞き取れなかった一同は、ロボロに耳を傾ける。


が、その耳はすぐ閉じることになった。
顔を真っ赤にして、ロボロは必死に叫んだ、訴えた。

rb「ふざけんなっ！！！何やねんお前ら！！何も知らんなら俺の気遣いすんな！！」

総統室にロボロの声がよく響き渡った。
少しズレた雑面の隙間から揺らいだピンク色の瞳が見える。


怒っているのに悲しそうで。


rb「こんな国、クソや！！！この国はグルッペンが率いるべきじゃない！！！」


kn「！？」

os「何やと！？お前…自分で何言ってるか分かって、！」

流石のAもその言葉には動揺した。
今まで怒りを表にあまり出さなかったロボロが、真正面から怒っている。

本当に一体、何があったというのか。




rb「グルッペン、最低や！！総統なんか辞めちまえっ！！！」

tn「あ、ちょ…！ロボロっ！！！」

sh「おまっ……待て！！」

ひらりと雑面が宙を舞ったかと思うと、ロボロは総統室を飛び出した。


雑面はAの足元に、都合よく落ちた。


『…いい』

zm「何でや」

ロボロを追いかけようとするゾムの腕をAが掴む。
ほんの少し、尖った目つきで。


『今はそっとしておこ。気持ちの整理が出来ていないだろうし』

zm「せやけど…Aは気にならないん！？」

『私だって気にかけてるよ』

zm「…！」

その時、ゾムは気づいた。
Aの目は、よく見ると、僅かに揺らいでいる。

今思えば、表情もいつもと違う気がした。


『ロボロのことだから、今は何も関わって欲しく無いと思う』

zm「……」

Aはそっとゾムから手を離した。
それでももう、ゾムの足は動かなかった。



ms「私、心配です…！見てきます！」

『聞いてなかった？行く必要ないの』

ms「でも…！」

『いいから黙ってろって』

sh「お前なぁ！！！」

怒りをAにぶつけようとするシャオロン。
しかし、それはトントンの方が大きかった。


拳が飛んでくる。


それをコネシマが片手で止めた。

tn「…邪魔すんな」

kn「ざけんな」

あれだ。あのお得意の冷たい目だ。

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