蝕め、呪詛【d！】

No,10 ページ11

『コネシマ、ゾム、聞こえる？』

zm〈聞こえるで、起きたんやな〉

kn〈どうした？〉

ロボロから話を聞いたAは、耳元のインカムを操作する。
そこからしっかりと二人の声が聞こえてきた。


『至急、私の部屋に集まって』


kn〈了解〉

zm〈何かあったんやな？〉

Aからの突然の招集。
二人が応えない筈が無かった。


それは、我が国総統グルッペンよりも大事な招集。


そう二人は思っているだろう。


rb「ここでええの？」

『誰かに聞かれる可能性はあるけど、私が動けない。というか動かしてくれないんでしょ？』

rb「ご名答」



zm「来たで」

kn「大丈夫か、A？」

約一分で来た二人は他人からすれば、化け物かもしれない。
ただ二人はAに対する守りたいと言う「想い」で動いただけに過ぎない。

『コネシマ、ロボロから昨日の件について聞いた』

kn「あー、あれか」

『そこで私に考えがあるの』


Aは自身のポケットを手で探る。


『これ飲んで』

zm「？…何やこれ」


取り出したのは、不思議な色をしたカプセル型の薬。

『これは呪いを浄化するもの』

rb「いわゆる呪われない為の対策やな？」

『そう』

kn「こんなもの何処で手に入れたん」

『霊媒師に貰った』

kn「え、…はぁ？」

突然の告白に頭がこんがらがるコネシマとゾム。
当たり前だろう、霊媒師に会いに行ったことを何も知らされていないのだから。


『昨日、私は会いに行ってきた。その薬は保証できるもの』

zm「Aが言うならホンマなんやろうけど……」


知らせてくれても良かったやん。



rb「浄化するんやろ？これを皆に飲ませたら治るんちゃうの？」

『これは憑いてきた呪いを浄化するのであって、元々憑いている呪いは効果がないの』


『それに、そんな都合のいい話があると思う？』

rb「…せやな」

これは至って呪いということを忘れてはいけない。


呪われる前に対策は出来ても、簡単に呪いを解くことは出来ない。
それ以前に、神がそれを許さない。



そう、それが呪い。

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