philosophical girl【アンナチュラル】

philosophical 32 ページ34

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烏「えぇ…。


被告人は、内見中のアパートの室内において、
糀谷夕希子さんの顔面を殴打し、気を失わせた後、

致死量以上のニコチンを注射し殺害。


その後、遺体を練馬区のスクラップ置き場に運び、遺棄しました」



夕希子の再解剖に伴い、追起訴が決まった。


傍聴席には、ミコト、夕子、中堂、そしてAが並んでいる。



高瀬「全て否認します」



余裕こいてられるのも今だけだ。


中堂は、焦る気持ちを沈める。

隣を見ると、Aは目を閉じていた。
右手に、あの指輪をはめている。


中堂は、無意識にその手を掴んでいた。


だが、大した反応を得ることはできなかった。



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やがて、ミコトが証人台に立つ。



烏「被告人と被害者は、どう結びつくのでしょうか？」


ミ「アメリカから運んだ糀谷夕希子さんのご遺体を調べ直したところ、ある男性のDNAが検出されました」


烏「ほう。

被害者の遺体は、8年前にも法医学鑑定を受けています。

その時は何も発見されませんでしたが？」


ミ「今回使用したのは、ID Plusという判定キットで、8年前には存在しなかった新しい技術です。

PCR阻害物質の影響を受けにくく、
わずかな細胞レベルからDNAを検出できます」


烏「えぇ…、
そのDNAは、誰のものだったのでしょうか？」



ミ「被告人、高瀬文人のDNAと一致しました」



高瀬は一瞬動揺の色を見せた。



烏「そのDNAは どこから検出されたのでしょうか？」


ミ「歯の裏側です。


ゴムボールを口に押し込む際 歯に指を引っかけた、そう考えられます。


つまり被告人は、自分が受けた虐待と同じことを被害者に行い、殺害することで、亡き母親への恨みを晴らそうとした」


高瀬「テンプレですね。何も分かっちゃいない」


裁「静粛に。被告人は発言しないように」



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