philosophical girl【アンナチュラル】

philosophical 26 ページ28

・



宍「…復讐するつもりなら、お門違いだぞ。


そもそも、糀谷夕希子を死なせたのはあんただろうが」



苦しそうに話し出した宍戸は、
視界の端に小瓶をとらえた。

中堂は気付かない。



宍「聞いたぞ！


糀谷夕希子の周りの人間から。


夕希子は夢を叶えるために懸命に働いてた。

昼は定食屋、夜はクラブ、
その合間に売れないイラストを描いてな。

矢向寺先生の亡くなった恋人が言ってたよ。


でもあんたは、そんなくだらないことは辞めろと夕希子に迫った」



当時の中堂と夕希子の話。


無表情の中堂を睨み、縺れながらも宍戸は立ち上がる。



宍「堪りかねた夕希子はあんたの家から逃げ出した。

そして引っ越し先を探すうちに
高瀬不動産のドアを叩いてしまったんだ。



あぁ……高瀬言ってたぞ。


糀谷夕希子の事は、よぉく覚えてるって。

威勢のいい女で、殴っても喚き散らして…」



系「クソが！」



中堂が殴りかかったその瞬間、
宍戸はテーブルから解毒剤を掴んだ。


揉み合いになり、解毒剤の瓶を奪い合う2人。



そんな中、遂に中堂の力に屈した宍戸が叫んだ。



宍「あるあるあるある！

ある、証拠のボールがある！


やめろっ、俺が死んでも証拠見つからないぞ！


高瀬が犯行のたびに使っていたボールだ！

女の唾液がついてる！
検出したいんだろ、DNAを！」



・

philosophical 27→←philosophical 25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す