魔王の一人娘になりまして。【オリジナル】

暴君系ふぁざー ページ8

さて、この半年間。



　忙しかったのもあるが、良いことが一つ。




　パパに会わなかった。



　え、すごくない？
　六ヶ月も顔を合わせないんだよ？


　広いとはいえ、一応同じ敷地内に住んでる家族なのにね！





　ついでに、私のお母さんらしき人もいなかった。



　私が顔を合わせたのは、サファイア宮に住む私専属のメイドと料理人、さらに数名の護衛と一ヶ月に一回アルドに会いに来る宰相さんだけ。



　わーお。
　私引きこもってるぅ。




　二ヶ月後は私の六歳の誕生日らしいから、そのときには陛下に会えるよ〜って言われたけど。



　正直、会いたくない。
　だってね。私の第一印象が合っていたことがわかったから。




　メイドや護衛に聞いた噂によると、私のパパはものすごい暴君らしい。



　気に入らなかったら即首を切る。


　物理的に。




　貴族や古参の使用人も例外じゃないらしい。


　それでも王に仕えたいと思う人は多いみたい。
　その中の一人がアルド。



　同じくらいかなーって思ってたけど、アルドは六歳だったみたい。一つ上なんだね。


「アルドは、どうしてパパに仕えたいの？ お給料が良いから？」



　私に仕えるよりはお給料良いと思うけど、私の常識からいったら六歳の子が働くっていうのがあり得ない。赤ちゃんのときから話せる天才ベイビーたちにとっては当たり前のことらしいけどね。




「陛下は……人を見る目は確かです。陛下に認められたいんですよ。あなた様のお父上は、この国じゃ英雄ですから」



　むぅ。
　英雄？


　暴君の間違いじゃなくて？

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