魔王の一人娘になりまして。【オリジナル】

どちらか一人 ページ31

す、と私を見たパパの目は冷めている。




「医者を呼んで、どうにか母か子か。どちらかだけは生き残れる状況を作ったんだがな。あれは子供が生きるのを望んだ。しかし、赤ん坊の体には毒は負担過ぎたらしく、毒が抜けるまで五年もかかった」




　淡々と話す声が怖い。



「ユリカを殺したお前を俺は憎んでいる。人間と、お前だけは一生許せない。お前は悪くないんだろうが、俺にとっては同じことだ」




　……ふぅ。



　深呼吸をする。

　大丈夫、大丈夫だ。


　なんとなく、嫌われていることは予想はしていた。

　落ち着いて。取り乱したりしたら、これ幸いと殺されてしまうかもしれない。




「お父様、この氷は」
「ユリカをいつでも見れるように俺が凍らせた。親の形見だとかいう時計も一緒にな」



　……そっか。


「話してくれてありがとうございます、お父様」
「お前のためではない」



　ママのためか。

　我が身を犠牲にして助けた子を見せてやりたかったのか。



　正直レティシアも被害者なんだから、憎まれるのは理不尽だと思う。

　でも、頭でそれがわかっていても、感情ではどうにもならないのかもしれない。私はパパじゃないし、ママみたいにパパの気持ちが見えるわけでもないから、憶測でしか話せないけど。


　……それに、二人の本当の子供じゃなくて、本当に親だと思っていない私がどうこう言えることじゃないだろう。

夢→←昔話

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーアイテム

革ベルト

ラッキーカラー

あずきいろ

おみくじ

おみくじ結果は「末凶」でした！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す