推しと推し《桃》

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「なんで宮田くんは共演できて俺は共演できてないんすか！？」

「事務所に言えって(笑)」

「ｽｩ…生のAちゃん、どんな感じでした？」

「いきなりだな〜(笑)……あのな…、めっっっちゃ可愛い」

「く〜〜〜っ、会いてえ〜〜〜〜！！！！」



禄に外食も出来ず、電話越しに近況報告をしあう2人。

宮田の先日の『さんま御殿』を見て、居ても立っても居られなくなった佐久間は、早速宮田に電話をかけた。


自分のことを応援してくれているというのは風の噂でも聞いていたし、最近始まった自身のラジオ番組『Snow Man 佐久間大介の待って、無理、しんどい、、』に出演してくださる声優さん方からその話をよく聞くのだ。もちろん、ラジオ収録が終わってからにはなるが。



「Aちゃんが出てるイベント行ったことあんの？」

「それが！チケット取れなくて行けないんすよ…」

「今や"今をときめく若手女性声優"なんて言われてるもんね、Aちゃん」

「…それに、」

「それに？」

「……俺たち、お互いがお互いを推してるってことじゃないですか」

「そうだね」

「…実は……それがあって、Aちゃんとの仕事を組まないようにしてもらってるんです。何かあったらいけないからって」




お互い(俺)がお互い(ももち)を応援しているからこそ、風評被害に巻き込みたくないってのもあるんだけどね。

ってのも宮田くんに伝えた。


推しが、自分が原因で悲しむ顔なんて見たくないし、そんな顔させたくない。

推し(ももち)には絶対、笑顔でいてほしいんだ。




「……拗らせてる？」

「なわけないッス！あくまでも嫁の一人なんで。そこはちゃんと分けてますよ」

「苦しくないの？そうやって自分の首締めてばっかで」

「……そりゃ苦しいですよ。でも、推しが悲しむ顔の方が見たくない」





「だってさ」





「へ？」

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