第42話 ページ45
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「A、大丈夫か?」
「何なんだあの人…せっかくAちゃんが手当てしてくれたのに…」
「訳わかんねぇババアだったな」
『…うん、私は平気だよ』
心配してくれてる3人にそう言うも、多分炭治郎には匂いでバレてるし、善逸にも音でバレてると思う。伊之助は…わかんないけど。
『(平気なわけがない…なんで…そんなこと言う人じゃなかったのに…)』
その後も、4人で聞き込みをしていけば、行く先々で私に対する言葉は酷いものだった。
気を遣ってくれたのか、日が暮れる前に炭治郎が宿へ行こう。と宿屋へ入る。
「あの、すみません。今晩、部屋は空いてますか?」
「あぁ、一部屋なら….。…って、まさか、あんたAかい?」
『……はい…』
「よく戻ってきたわね、しかも男3人も連れて。誑かして楽しんでるの?可愛いものね、貴女」
『…まあ、老けた醜いババアには出来ない事ですよね』
「なっ…!」
『と、冗談は置いておいて…。私を侮辱するのは構いませんが…3人をそういう風に考えるのはやめてくださいね。さすがに黙ってませんよ』
頭にきてそう言い返し、無意識に刀に手をかけていたのだろう。
気づけば、ふわり、と炭治郎の温かくてゴツゴツした手が私の手を包んでいた。
「Aは優しい子ですよ。貴女が知らないだけで、俺はAの良いところをいっぱい知ってます」
「は…?」
「なので、次、Aを侮辱したら、俺が許しません」
『炭治郎…』
もういいわよ!さっさと部屋へ行って頂戴!と、おばさんは私達に鍵を投げると、奥へと入って行った。
手を掴んだまま無言で炭治郎が歩き出すと、自然とそれに続く善逸と伊之助。
…なんか、3人の方が怒ってる雰囲気がする…。
『…あ、あのさ…』
「A、無理しなくていいんだぞ」
『えっ…?』
「辛いなら笑わなくていい。無理に怒りを抑えなくていい。Aが辛くない選択をしてくれ」
『…炭治郎……』
部屋へ入ると、繋いでいた手を離され、ギュッと両手で包み込まれる。
「…Aの手は小さいな」
『炭治郎が大っきいんだよ』
「凄いよ、こんな小さくて細い手で刀を握って、俺達を守ってくれたのは」
『当たり前だよ、大事な仲間だから…』
「俺もそうだよ」
『!』
「Aは大事な仲間だから、守ってやりたいんだ」
炭治郎がそう言うと、善逸が俺も!と私の手にそっと触れる。
伊之助は、約束守るまで死ぬな!子分!と私の手を叩いた。
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ヘル - WW (2021年5月22日 0時) (レス) id: 8a8dc3fa13 (このIDを非表示/違反報告)
氷華 - 第45話で絶対たまたまだけど名前出て一人で喜びの舞踊ってた→見られてた→\(^o^)/ (2020年7月20日 0時) (レス) id: 0b06ea8062 (このIDを非表示/違反報告)
たくあん(プロフ) - せりりんさん» コメントありがとうございます!嬉しいです(*^ ^*)更新頑張ります!! (2019年6月24日 18時) (レス) id: 17eabedad2 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 感動しました!炭治郎流石って感じです! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
せりりん(プロフ) - 凄いてんかいっすね! (2019年6月24日 17時) (レス) id: 60b1ee46a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たくあん | 作成日時:2019年6月12日 0時