末っ子が見た景色 ページ26
ジョンハニヒョンとクプスヒョンが体調を崩したとき。公演の途中なのにステージに上げない判断をしたのもヌナだった。
「人前に出るのが怖い」
そう言ったヒョンを慰めるより、理解してそのままで良いと。
『そうなっても大丈夫。オッパはオッパだよ。どうなっても私はずっとオッパの隣にいる。』
大丈夫。大丈夫なんだよ。と耐えるように涙を流すヒョンの背中をそっと抱きしめるヌナの目にも涙が光っていて、見てはいけないものを見てしまったような。そんな気がした。
それくらいこの2人は特別だと思う。
ちょっと羨ましくなるくらい。
*
「モナヤ!!!!!!!! イ モナ!!!!!!」
練習室に響き渡るヒョンの声に何事かと顔を上げるとスマホに向かって叫んでいた。
「あのヌナまたなんかやったよ」と鼻で笑うスングァニヒョン そのヌナに殺されるよそんな顔してたら。
「お前!この間の!3瓶空けてんだけど?どういうこと?」
ああ!ヌナのあのコンテンツ公開日今日だったのか。
「オッパと約束したよな?2瓶までだって………はあ?おいお前それユンジョンハンにも言えんのか?」
そこでスピーカーに切り替えたのか画面を耳から離して口の前に持ってきた。
名前が出てきたジョンハニヒョンもなんだなんだたと立ち上がる。
"だから、あのねオッパ。私がいくつか分かってる?27歳なんだよ。四捨五入してみな?30歳。その歳の人間に酒量の話はさ"
「お前、前科があんだから!分かってんだろ?」
"犯罪者みたいに言わないでくれる?!"
「モナヤ〜全部聞こえてるよ〜」
ハニヒョンがクプスヒョンの肩に手を乗せてニヤニヤしながらスマホに喋りかける。
"…………ヤァチェスンチョル。スピーカーにしたね?"
「手が滑ったんだよ」
"マッジで………"
「モナヤ、オレにも説明してもらおっかななんで量超えちゃった?」
"……こちらの電話番号は現在使われておりません。"
ポロンという音の後に訪れる静寂。
…
…
…
「アイツ会ったらタダじゃおかない」
ああ、やっぱりそんな羨ましくないかも。
ヌナファイト〜
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作者名:RIN | 作成日時:2022年11月19日 10時