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医局のデスク ページ16

そのまま三人でオペの話をしていたら、いつの間にか医局に到着。

世良くんに段ボールを空いているデスクへと運んでもらった。

隣の席は権の字らしい。彼は何かと私のことを気にかけてくれるから非常に助かる。

片付けも手伝うと言ってくれた二人のお言葉に甘えて段ボールの中身を取り出していく。




世「北見先生、随分と沢山の資料を持って帰られたんですね」


 「少しでも日本の医療の発展に役立てばいいと思ってね」




医療全般において最先端であるドイツに留学し、本当に多くのことを学んだ。

その後アメリカに渡って技術にも磨きをかけたし、学んだ事を活かして実践も積んだ。




世「わ、これとかダーウィンについてだ…。こっちはスナイプですね」


高「君は出会った頃から既に最新の医療機器については詳しかったな」


 「ドイツで学んでたからね」




世良くんが興味深そうに資料を見ているのを横目に少し見てから本立を使って医学書を並べていく。




世「北見先生はやっぱり医者の腕よりも機械の方が良いと思ってますか?」


 「んん?どうして?」


世「いや…これだけ多くの医療機器について学んでいらっしゃるから、そうなのかなと」




純粋な2つの瞳がこちらをじっと見つめている。

権の字に視線を投げれば困った様に肩を竦められてしまった。




 「世良くん」


世「はい」


 「最後に勝つのはね、人。人なのよ」


世「え、それってどういう…」




世良くんが聞き返そうとした時、『すみません』と後ろから声がかかった。

振り返った先には医者と研修医が何人か。
医者の二人には見覚えがある。




医2「あの、少し宜しいですか」


 「えぇ、大丈夫ですよ」




少々緊張した面持ちなのを不思議に思っていると一人が口を開いた。




医2「先程あった緊急オペで、腹部大動脈瘤の執刀していらっしゃったのは貴女ですね」




あぁ、そのことか。
と、言うことはこの二人はさっきのオペに居た医者二人だ。

だから少し見覚えがあったのか。




 「えぇ、そうです」


医1「やはりそうでしたか……」


医2「先程は患者様を助けて頂き、ありがとうございました」




揃って頭を下げられた。
慌てて二人を止める。





 「頭を上げてください、お二人とも。私は医者として当然のことをしたまでですから」




医者が患者の命を救うのは当然のこと。
私はやるべき事をやったに過ぎない。

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霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» ご指摘頂けて本当に助かりました。ありがとうございます!そう言って頂けると本当に嬉しいです♪更新頑張りますね! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 霜月さん» いえいえ、わざわざありがとうございます!このお話とても好きなので、これからも頑張ってください! (2018年6月30日 14時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» 誤字のご指摘ありがとうございます!修正致しました。 (2018年6月30日 13時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 「掛かっきた電話」ではなく、「掛かってきた電話」ではないでしょうか(・・?) (2018年6月30日 8時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - たぷたぷさん» コメントありがとうございます。佐伯教授、素敵ですよね♪機会が作れたら書きますね!これからも宜しくお願い致します。 (2018年6月28日 23時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜月 | 作成日時:2018年6月9日 2時

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