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ソファの上 ページ12

≪Tokai side≫




Aがオペ室を出て行ってから一時間半。


漸くオペを終えて、仮眠室へと戻る。


騒がしい医局の中を突き進み仮眠室の扉を開けて中に入れば、騒がしさは少し収まった。


奥のソファに白衣が掛けてあるのが目にとまって背もたれの後ろから覗き込めば、丸まって眠るAが居た。


俺の毛布に包まって眠る姿は何だか幼く見えて、思わず口角が上がりそうになるのを我慢する。


丸まったAのすぐ側、少し空いているスペースに腰を下ろしてそっと髪に手を伸ばす。


サラサラと指通りのいい髪を優しく梳いて頬を軽く突けば、Aは小さく身動ぐ。





 「んっ……」





微かに唸るも、まだ瞼は開かない。


こいつは昔から一度眠るとなかなか起きない。


俺はそれをいい事にAの顔をこねくり回していると、ふと机の上にあるバレッタが目に入った。





渡「ん…?」





見覚えのあるそれは、以前こいつがドイツに行くと言った際に買ってやったものだ。


『会えなくなるのが寂しいから、餞別ちょうだい』とか何とか訳分かんねぇこと言い出して。


煩くて仕方ねぇから二人で買いに行った。





渡「まだこんなもん使ってんのかよ」





これを渡してからもう5年は経っているように思う。


少し色褪せてリボンの端が擦れているから、それなりには使っているようだ。





渡「新しいやつ、買ってやるか…」





このバレッタが海外へ行くときの餞別だったのならば、次に買う分は………そうだな。





渡「虫除け代わり、だな」





俺が渡したバレッタなんて付けてたら、流石に軽々しく手を出してくる奴は居ないだろう。


変な虫が付かないように見張るのも、それなりに付き合いの長い幼馴染である俺の務めと言うものだ。





渡「ま、俺みたいな碌でもないのに引っかからないよう精々気を付けることだな」





眠りの中にいて聞いちゃいないだろうAに、小さく呟いた。

目覚めの時→←仮眠室での昼寝



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霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» ご指摘頂けて本当に助かりました。ありがとうございます!そう言って頂けると本当に嬉しいです♪更新頑張りますね! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 霜月さん» いえいえ、わざわざありがとうございます!このお話とても好きなので、これからも頑張ってください! (2018年6月30日 14時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 重岡ゆう毅さん» 誤字のご指摘ありがとうございます!修正致しました。 (2018年6月30日 13時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)
重岡ゆう毅(プロフ) - 「掛かっきた電話」ではなく、「掛かってきた電話」ではないでしょうか(・・?) (2018年6月30日 8時) (レス) id: 18e1e6c35b (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - たぷたぷさん» コメントありがとうございます。佐伯教授、素敵ですよね♪機会が作れたら書きますね!これからも宜しくお願い致します。 (2018年6月28日 23時) (レス) id: 830a43c59f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜月 | 作成日時:2018年6月9日 2時

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