僕らの世界5 (ページ9)

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頑固者の石頭ページ9

「ねえ、本当によかったの？」
「…何がだ？」
全く自覚していなかったのか…菜々は、純の鈍さにため息をついた。
「中等部のコたち、つっ返して」
「金ないのは知ってるだろう」
「そうだけどさ…」
もちろん純に悪気がないのは分かる。それでも何だか可哀想で、放っておけないのも事実だ。
「それに、あんなペラペラの計画書じゃ、承諾はできない。俺は、もう少し見通しが持てない限りOKは出さん」
「頑固者」
精いっぱいの反論が、これだった。正論すぎて、これ以外何も言えない。
「何とでも言いなさいな、俺は何が何でも主張曲げる気はないから」
「石頭」
「石頭で悪かったな」
「ポンコツ」
「誰がポンコツだ」
「冷酷」
「俺じゃなくて、三浦に言え」
「まあまあ、2人ともやめなって」
愛と平和の落第生により、喧嘩は一旦収まった。
「あの感じだと、多分計画練り直してまた来ると思う。純、菜々ちゃん、それまで一旦休戦を命じる」
そう言われると、やめざるを得ない。2人は磁石のN極同士のように離れていった。

「あの石頭！頑固者！」
その夜、とある住宅街ではそんな怒鳴り声が1時間近く聞こえたらしい。