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お久しぶりです ページ7

私ー青葉真帆ーたち一行は、星が丘学園を出ると、司令塔であるショージに電話をかけた。
「…だから、渚学園に戻るつもりなんだけど」
『分かった、サンキュー。もしアレだったら、兄貴に伝えとこうか?』
「うん、その方が心強いかも。お願い」
『OK、今すぐ連絡する。現場に至急直行』
「承知した」
電話を切ると、私は
「急ぐよ」
と言って、駅へ早足で向かった。


いつも見ているはずの渚学園が、裏側から見ると全く違う場所に見える。空気の差かな。高等部は前にも来たことがあるけど、やっぱりこの空気には慣れない。私は来年からここに通うという実感も、とてもじゃないけど沸いてこない。
「あーちゃん、久しぶり」
ショージみたいな声がしたかと思うと、翔先輩が玄関から手を振っていた。
「先輩、お久しぶりです」
「だねー、何だかんだ今年初?」
「はい」
相変わらずの人なつっこい笑顔は、やっぱりショージとそっくり。
瀬戸くんと三浦くんは初対面だったから、簡単に自己紹介をしてから案内してもらった。


「今年は何するの?」
翔先輩は、興味津々といった感じで訊いてきた。
「何だと思います?」
「えー…何?」
ガチで当てにくると思っていたから、あっさり引かれてズッコケた。
「文化祭、高等部も巻き込みます」
「本当?楽しみだなぁ」
「任せといてください」
翔先輩と話すと、自然と前向きな言葉が出てくる。普段の私は、たぶんこんなこと軽々しく言えない。


「着いたよ、頑張って」
生徒会室の前で応援してもらって、翔先輩と別れた。
私は、率先してドアを開ける。
「渚学園中等部生徒会長の、青葉真帆です」

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作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時

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