僕らの世界5 (ページ6)

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チーム頑固者ページ6

「行くか」
「ですね」
俺ー三浦雄一ーたちは、星が丘学園高等部の門から校舎を見上げた。中等部のすぐ近くにあるのに、どこか別の国に迷い込んだみたいだ。緊張、恐怖、期待、色々な感情が渦巻いて、パンクしそう。しかも生徒会に許可は取ってないから、無断で乗り込むことになる。前の進藤みたいだ。俺たちは門をくぐり、青葉の案内で生徒会室へと向かった。

「失礼します」
ジャンケンの結果、ドアを開けるのは俺になった。震える手でドアを3回叩いてそう言うと、「はい」と中から返事が聞こえた。
「開けるよ」
青葉と瀬戸に小声でそう言って、ドアノブに手をかける。思い切って開けたら、想像以上に力が入ってしまい、道場破りさながらの登場になってしまった。
「星が丘学園中等部生徒会の、三浦雄一です」
「渚学園中等部生徒会の、青葉真帆です」
「同じく渚学園中等部生徒会の、瀬戸航平です」
「高等部生徒会にお話があって来ました」
打ち合わせ通りに挨拶ができた。こちらを見ているのは、俺の姉さんとそのボーイフレンド(『彼氏』って言うのは何か嫌だから、いつもそう言っている)だ。姉さんは家で見るのと同じように美人で、ボーイフレンドの方も、悔しいけどイケてる。
「話、ですか」
姉さんのガラスみたいな透明な声がそう言うと、青葉が先陣を切って説明してくれた。
「はい、今年の文化祭のことなんですが…」

「なるほど、そうですね…」
姉さんとボーイフレンドは、身振り手振りで色々話し合ってから、お互いに頷いた。今ので結果が出たらしい。
「星が丘のみなら、今すぐOKできます。もともと今年は参加予定なので。しかし、両校となると…渚学園にかけ合ってみないと結論は出せません」
ボーイフレンドの人は、役所の窓口の人みたいに言った。
「分かりました、渚学園の方にも相談してみます」
それだけ言って、俺たちは退散することにした。