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蛇(ウィスティアリア&鬼灯) ページ28

こつん。
校舎と校舎の隙間に、間抜けな音が響いた。
小さく小さく響いたそれは、深い闇に当たって跳ね、地に落ちる。

『ん...?』

ず...と何かを引きずる様な音をたてて闇が動く。何かが頭にぶつかったのを感じて、それは頭を上げた。
自分に当たったものの正体を探して、紅い双眸が輝く。視線の先でころころと銀の軌跡を描くそれは、まだ新しいナットだった。

『──ああ...』

薄暗く冷気に満ちた場に、吐息の様な男の声が響く。
ずるずると動く細長い巨体が黒い粒子の様なものに包まれ、そしてその粒子が霧散した時、そこには男がいた。暗がりに溶け込む様な黒髪に黒い着流し。紅のひかれた目がちらりとナットを見やり、伸ばされた指がそれをつまみ上げる。
どこか艶めかしく感じる視線でナットを眺め、ぽつりと一言呟く。

「主か」

手の中でナットを弄びながら、それきり男は沈黙する。
数秒の沈黙の後、男はもはや興味など無いかのようにナットをはじき飛ばした。

「さて、こちらからだったな」

くるりと身を翻して男は光の射し込む先へと歩を進める。外へと一歩踏み出せば、日光が目を焼いて、男は面の位置をずらした。
顔をしかめた男に、声がかけられる。

「あれ、鬼灯(ほおずき)?」
「...主」

数歩先に主と呼ばれた女──ウィスティアリアが立ってこちらを見ていた。彼女の足元に転がった大量のパーツがこの場所で起きた惨状を物語る。
パーツを避けてウィスティアリアへと近づけば、笑いながら頭を撫でられた。男──鬼灯は特に抵抗もせず、目を細める。

「君一体どこから──、ああ、いやいい。それより、そろそろ休み時間が終わるけど君はどうするの」
「そうだな...、アンタについていこう。もう十分寝たからな。それに、まだ青い奴らを見るのも一興だ」
「そう? じゃあ荷物持ってね」

白衣の裾を揺らして先をゆくウィスティアリアの背に追従し、鬼灯は口を歪めた。
──蛇で行くか、人型で行くか。どっちがより面白い?

気配を感じる (ルナ・マリア)→←転校生?(花音)



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(プロフ) - 終わりました (2017年1月1日 23時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新します (2017年1月1日 17時) (レス) id: f9682346d9 (このIDを非表示/違反報告)
チェス盤(プロフ) - 更新しましたー (2016年12月23日 13時) (レス) id: e293136629 (このIDを非表示/違反報告)
チェス盤(プロフ) - 更新します (2016年12月23日 13時) (レス) id: e293136629 (このIDを非表示/違反報告)
歌菜子 - 終わりました (2016年12月21日 20時) (レス) id: beed06bc94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:北斗七星 x他9人 | 作者ホームページ:kirito03  
作成日時:2016年10月29日 21時

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