＊ ページ17
…
「やぶ、飲みすぎっ……お水入れてくるねっ」
「いーって、」
ひかるの前に立ちふさがって、正面から抱き寄せた。
ひかるのカラダはマネキンみたいに固くなっている。
「ほら、チューしよ」
「ふふっ…やぶって酔ったらキス魔なんだぁ〜」
「いーから」
「やだ…っ」
あからさまに顔ごと避けられて、自分が腹の底から
ムキになるのがわかった。
「前はチューしろチューしろ言ってきたくせに…」
「それは違くて…っ」
「……何が違うんだよ」
ひかるの気持ちがわからない。
でも、自分が今、どうしたいのか。その輪郭だけは
手に取るようにわかった。
酒の力に頼って、酒のせいにして、ひかるのことを
このまま抱きたい。
「気持ちよくしてやっから」
「も…っ、やめてって…っ」
俺が近づくと、ひかるがのけ反り、社交ダンスでも
踊っているみたいに、部屋のなかを動き回っていた。
ふたりの吐く息が、汗ばんで揺れている。
「最初はやぶかっこいいし、背が高くてタイプだし
毎日チューできてラッキーぐらいに思ってたのっ…」
かっこいいって。タイプだって。
突然褒められて、こんな時でも勝手に頬がゆるんだ。
「でも、こないだ助けてもらって、海も行って…
それからなんか……できなくなっちゃって、…っ」
ひかるの声につられて、胸がふるえて、今にも泣き
出しそうな熱い頬に触れた。
「なんでできなくなったの？」
「わかんないっ…」
わかんないとか、逃げてるつもりで。
都合のいい答えを刷り込むスキを与えていることに
ひかるは気づいていない。
「俺のこと好きになった？」
「っ、…」
ひかるは首まで赤く染めて、湯気が立ちそうなほど
熱っぽい表情で俺を見上げた。
「おれ、ちゃんと好きになったことないし、
付き合ったこともないからわかんないっ…」
細腰をグッと抱き寄せた。
ひかるは崖っぷちにつま先立ち、グラグラしている
ようなもんで、押すなって言われる方が無理な話だ。
俺達は冷静な演技すらできずに、呼吸が乱れていく。
「……しよ」
「やめて…っ」
「なんで？」
「ほんとに好きになっちゃう…っ…ん…っ」
全部言い終わる前に、小ぶりな唇をかぷり、と口に
含んだ。途端にひかるの身体が固くなって、肩口に
指が食い込む。
「んっ、あっ……やぶ…っ…」
無我夢中でキスした。ひかるの背中が壁にぶつかる。
逃げ場がなくなったのをいいことに、そのまま壁に
押しつけ抱きあげて、下から口内をまさぐるように
キスを続けた。
「やぶ、お、っろして…っ」
「……やだよ、」
…
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しょこる(プロフ) - しろくまさん» ありがとうございます★ダイヤモンドのように硬くて誰にも壊せない絆を描けて満足です^^次のステージにすすんだ２人に幸あれ☆彡 (2020年6月17日 17時) (
レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - 完結、おめでとうございます。キュンキュン、ハラハラ、不器用な2人のキラキラ光る恋に魅了されました。ダイヤモンドにも負けない輝きを放つ２人の人生に全力で拍手を送ります！素敵なお話をありがとうございました。 (2020年6月11日 21時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - しろくまさん» ダイヤモンドは綺麗なだけじゃなくて、外から簡単に傷つけることができない硬さも魅力ですからね＊残り数ページ、ふたりのキラキラの行方を見届けてください(-人-) (2020年4月28日 14時) (レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - か弱そうに見えて、その実ダイヤモンドのように硬質な輝きを放つひかちゃんに心奪われます。どうかこの二人がきらめく舞台を続けていけますように…！！ (2020年4月5日 20時) (レス) id: 690493538b (このIDを非表示/違反報告)
しょこる(プロフ) - きょーかさん» こちらこそいつもコメントありがとうございます＊お話も佳境に入ってきたのでどんどん書き進めていきます^^ (2020年3月26日 18時) (レス) id: 93d8c8f749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょこる
| 作成日時：2019年7月27日 22時
