【続】真田忍隊に新しく入ってきた忍びは謎に包まれていました

90.もったいない？ ページ46

Aside


『ふぅ、辛気くさい話はおしまいにしてバカ主、探しにいきましょ！』
「ちょ、それ旦那に聞かれたら怒られるよ…」
『大丈夫ですよ！佐助様が密告しないかぎり♪』

そんなことより早くしないと暗くなる。もう、太陽が傾きだして橙色に張り始めている。
夜になってからだと見つけるのは大変だし、なによりもメンドー。

『幸村様どこいったんでしょうね』
「さぁ？俺様が知るわけないっしょ」

まぁ、それもそうだけど……
幸村様の行動範囲は佐助様が一番知ってそうなんだけどなぁ

あ、別に変な意味じゃないよ



「とりあえず、甘味処でもいくか」
『え、おなか減ってたんですか？』
「違う！」


『そんな思いっきり否定しなくても…』
「忍びがおなか減るなんてあり得ないから！！」



出た。
佐助様お得意の「忍びが〜〜」

別にお腹くらい減ったっていいじゃん。問題ないじゃん。
体内に消火物がなくなったら減るに決まってるじゃん。

食べなくても平気、なら分かるけど、お腹が減らない、ってのはおかしい気がする。



『そうですか。でも、私はお腹空きました。団子、食べたいです』


にっこり笑ってお腹をさする。
全国共通で伝わる、お腹空いたのサイン。


「アンタって、忍び向いてないんじゃない？」
『え！？いきなりヒドイ！！！』

なぜ急に罵倒された！？わけわからんぞぉぉ！！！！？

頭を抱えてると、佐助様は壮大に笑った。


「ぷははっ、何でか分かんないの？wwww」

逆になんで分かるのか聞きたいくらいだよ！！って思いを込めなが大きく頷いた。


「だって感情もまともに殺さないで、自由でさ、何にも縛られてないって感じじゃん
そんな鳥みたいな人間を忍びにするなんて、もったいないよ」



『もったいない…？』
「そ、アンタみたいなやつは可能性がどんどん広がる。旦那みたいにね」

可能性か…
そんなの、広がらなくてもいいけどね。私望みはただ一つだから。


「忍びなんかやらずに、旅人でいればよかったのに」
『旅人では叶えられないんですよ』
「…アンタ、夢もってんの？」

夢……。はたして私のはコレは夢と呼べるのだろうか…。
そんな安易な言葉でくくられるようなものじゃない。


『夢…、そうですね。夢じゃないですけど』
「…？」


『夢とは儚いものです。けど、私のは叶えなければならないもの、成し遂げなければならないものなんです』


夢と言うよりは、宿命に近いかな。
……まぁ、そんなカッコイイもんじゃないけど

91.看板娘はたいてい美人→←89.セリフが無駄に長い

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