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しばらくしても、戻ってはこなくて。
追いかけようと立ち上がると、軸がブレて驚いた。
…うわ、俺もきてんな…
「にのー、大丈夫？」
「…あ、入ります…？」
「あ、違う違う、大丈夫かなと思って」
トイレの扉越しに、様子を探る。
はあはあと湿っぽい呼吸が、苦しそうで。
「……なんか、ｵｴｯ、…あんま上手く、吐けなくて…」
聞こえためずらしい弱音に、心臓がドキリと音を立てる。
「…ここ、開けれる？入っていい？」
「ん…、」
解錠された扉を開ければ、ぐたりと便器に伏せ、呼吸を早めていた。
中は、ほとんどが泡立った唾液のようで。
流した音も聞こえなかったし、これで全部らしい。
「キツそうだね…」
「体感は…すぐにでも、吐きそうなんだけど……ｳｴｯ、」
言いながらも背中が震えて、嘔吐き声と、唾液が落ちる。
「…どうしよ…かな、」
苦笑する声も、弱く震えていて。
「…出したい？」
「ん…」
「ちょっとだけ背中さするから、頑張れる？」
「…え、いいの…？」
「無理しないでよ？」
吐かせるの、潤と違って、あんまり得意じゃないんだけど。
強めに、背中を下から上へ撫でさする。
「…ｳｴｯ、…ぇ…ッ、」
すぐに、げふ、ごふ、と湿っぽい空気が上がってきて。
「…がは…っ！げぇえ……ッ！！」
ドパ、と大きな水の塊が、口をこじ開けた。
「お、出たね」
「ゲホゲホ！げほ！」
「大丈夫、大丈夫…」
そのままむせ返ると、徐々に落ち着きを取り戻して。
「ありがと…、ちょっと、スッキリした…」
お腹を撫で、脱力したように、便器に頭をもたげる。
洗面台のコップに、水を注いできて。
うがいをさせると、顔色もすこしよくなったようだった。
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あんず(プロフ) - みささん» わあ！嬉しいですありがとうございます…！なかなか更新できていなくて申し訳ないですが、そう言っていただけると励みになります☀️ (12月27日 23時) (
レス) id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
みさ(プロフ) - 作者さんの小説はどれも好きなのですが特にこの章が大好きで何度も読み返しています、応援しています❕ (12月27日 0時) (レス) id: 17a7f9c751 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ちえさんさん» 3回目はマネさん気が気じゃないですよね。翌朝に経過報告を入れた時点で、飛んで来そうです。重症同士のにのあいですが、心配し合っちゃうのが2人らしくて可愛いところ(^^*) (2023年4月2日 23時) (レス) id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ねこにゃんさん» わわ、そうだったんですね(；；) 私の2回目は高熱で指まで全部の関節が痛くて、これは腰の悪い二宮さんは大変だろうな…と。手のくだり、実は1番のお気に入りです！わかってる感がたまりません！ (2023年4月2日 23時) (レス) id: a42c516e80 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - ぬるっと移行。大歓迎です。嵐さんのワクチン騒動。2回目でこんなだと、3回目はマネさんに泊まってもらわなきゃですね。相葉さん自身は高熱なのに、にのちゃんを心配してて、あぁにのあい♡となりました。 (2023年4月2日 22時) (レス) @page49 id: 94c3edab09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんず
| 作成日時：2021年2月14日 14時
