９ ナントカさん ページ9
黙々とキーボードを打ちマウスを操ること暫く。
・・・よし、出来た。
「松本さん、出来ました。・・・松本さん？」
あれ？
松本さん、どこ行ったの？
さっきまで座っていた場所はもぬけの空で、持って行ったノートパソコンも無い。
これ、どうしたらいいんだろう。
とりあえず、新規ファイルを作って保存しておく。
メンバーの予定を書き込むホワイトボードには何も書かれてないし、そのうち帰っては来るんだろうけど、それまで私は何をすれば？
さすがに黙って帰るのはありえないし。
近くの社員に松本さんの所在を訊いても首を傾げるばかり。
うーん・・・と唸っていると「ちょっと、そこの、ナントカさん」という声と共に肩をトントンされた。
「松本が仕事頼んでおいたって言ってたのってキミだよね」
「あ、はい」
振り向けばそこに立っていたのは櫻井さんで。
ナントカさんって・・・。
苦笑するしかない。
まあ、さっきの櫻井さんは私の顔見る余裕なんて無かっただろうし、直接的なやり取りもした事は無いから名前を知らなくてもしょうがないのだけど。
「明日から正式に異動になります、Aです。
あの、松本さんは・・・」
「ああ、ごめん。Aさんね。松本ちょっと部長に呼ばれて出ちゃって。出来た？」
「はい、一応・・・。確認して頂けますか」
「うん」
緊張しながらファイルを開き、後ろに下がる。
櫻井さんは椅子には座らずに屈んでマウスを握る。
他の人でもよく見る姿なのに、この人がやるとカッコ良く見えるって凄いな。
女子の噂に上がる訳だ。
ま、私には関係無い話ね。
思い直してチェックが終わるのを待っていると、２、３分して櫻井さんがスッと立ち上がり振り向いた。
じっと見つめられて、緊張する。
「どう、ですか？」
「うん。大丈夫、使える」
オッケー、と指マーク付きで言われてふっと息を吐いた。
とりあえず迷惑掛ける事だけは避けられたみたいで、胸を撫で下ろす。
「良かったです」
「明日からだっけ？ よろしく。
ここ、忙しくて最初は大変だと思うけど、頑張って」
「はい。よろしくお願い致します」
恋愛は諦めてるし、忙しいのなんて大歓迎ですよ。
そう思いながら頭を下げる。
そして、顔を上げて視界の中に入った物。
それには見覚えがあった。
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とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
