37 おむかえ ページ37
歓迎会という名の飲み会は和やかに進んだ。
新人が普段聞けないような先輩の失敗談を聞いて「俺まだそこまでは無いです」と笑顔を見せると「余裕ぶっこいてるとやらかすぞ」とビビらせ笑う。
いいコミュニケーションの場になったと思う。
私の心中は波立てられたけれど。
予約していた２時間になる頃、２次会に行く人が募られ新人は全員行くと答えていたけれど、勿論私は辞退する。
「あれ、Aさん行かねえの」
「はい。少し頭が痛くて」
嘘をついた。
それほど飲んだわけではないし本当に頭が痛いわけでもないけど、これ以上この人の側にいたらイライラしてしまいそうで。
お手洗いに立った時に兄に迎えを頼んだ。
『１５分で行ってやるから横にあるコンビニでコーヒー買って待ってろ』
メッセージを送ってすぐ、そんな高飛車な返事が返ってきて苦笑したけれど、それでも素直にお礼を言うと『ナンパに気をつけろよ！』と若干過保護な兄の顔が出てきて苦笑した。
予約した松本さんが皆から会費を集めて会計を済ませ、お店の前で「おつかれさま」とあいさつをして解散。
王子二人は秋月さんに腕を取られてすぐに歩き出し、私は迎えを待つため駅とも逆方向のコンビニに向かう。
でも歩き出してすぐ、兄の車が走ってくるのが見えて。
あっちも私を見つけたのだろう。
コンビニには入らず、スピードを落とした車が私のすぐ脇に横付けされた。
ウィーンと助手席の窓が開いて、「ナイスタイミング俺♪」とドヤ顔をする兄。
まあ、待ち時間が無いのはありがたいけど。
でも、と後ろを振り返るとまだ会社の人の後ろ姿が見えるくらいの距離。
別に見られたからどうという関係でも無いのだけど、この年で家族に送り迎えされてるとか過保護以外の何物でもなくてちょっと恥ずかしい。
「ほらとっとと乗れ。ここ、駐禁なんだから」
「うん」
遠慮なく助手席に乗れば、ドリンクホルダーに華奢なデザインのイヤリングの片方が入っていてちょっとビックリした。
「お兄・・彼女いたの？」
「は？ 普通にいるけど。俺、お前が思ってるより全然モテるからね」
「そうなんだ」
「そうだよ。ほら、出すからシートベルトして」
「はいはい」
ここで捨てられても困るから素直に言う事を聞いて、ゆっくりと動き出した景色に、やっと力を抜きシートに身体をあずけた。
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とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
