34 瞼の裏の ページ34
side he
松本が機嫌よく話し続けるのを、ビール遅ぇなとか考えながら聞く。
「夏の夜にさ、一際輝く赤い星。なんかカッコ良くない？」
周りの女子の視線を全部集めながらそんなキザな話を平気で出来るお前がカッコイイわ(笑)
免疫の無い新人の目がハートになってるっつーの。
「でもソイツ、猛毒持ってんだろ？(笑)」
突っ込んでやると「それもカッコいいじゃん」と全然めげない(笑)
「ま、確かに綺麗だけどな」
「刺されると死んじゃうけどね(笑) 気をつけて(笑)」
「刺されるのはオリオンだろ。俺じゃねえ」
「翔さんみたいなもんじゃん(笑)」
「ふざけんな(笑)」
「あんまり女の子泣かせないほうがいいよ(笑)」
「おい」
そりゃお前だろ。
そう返そうとしていたところにビールが運ばれてくる。
給仕の女の子と目が合って、「ありがとう」と礼を言うとポッと頬を赤らめた。
「・・・タラシ」
ボソッと聞こえてきた声は俺の横から。
「・・・なんか言った？」
クルリと振り向くと、彼女は一瞬だけ目を見開き、でも直後には平静を装う。
「いいえ？」
普段は見せない微笑に言葉を乗せてしらばっくれるけど。
いや、確かに聞こえたし。
「心外だな」
「・・・」
「俺は興味が無い人に話振らない主義よ」
「・・・そうですか」
「・・・」
俺に興味無しかよ。
素っ気ない態度に溜め息をつきそうだ。
俺はアンタの事忘れられないでいるってのに。
瞼の裏に鮮やかに蘇る、あの瞳・・・。
「・・・俺、赤好きなんだよね」
「・・っ」
ピク、と彼女の唇が震えた気がした。
少し下から見上げる彼女の表情が強張っている。
「・・・」
なあ、そんなに怯えんなよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1902人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
