30 歓迎会 ページ30
新人が少しずつ仕事に慣れてきたＧＷの直前、営業１課で歓迎会という名の飲み会が催された。
新人と、新人ではないけど他部署から異動してきた私は会費が千円。
大勢で集まるのは苦手だけれど、さすがに名前の付く飲み会に参加しないわけにもいかない。
歓送迎会と忘新年会は飲み会という名の仕事。
誰もが参加したくて参加してるわけじゃない事はここにいる全員が分かっている事で、それでも出席率が高いのは仕事を円滑に進める為。
うん、やっぱり仕事だ。
会の始まりは１９時半。
遅めに設定された時間に、一度家に戻ってスーツから少しだけ楽な服に着替え、ちょうど家に戻っていた兄に車で送ってもらう。
「飲みすぎんなよ。０時前なら迎えに来てやる」なんて過保護な言葉を残して帰っていった兄に苦笑しながら、入り口に貸切の札が掛かった松本さんチョイスだという可愛らしいイタリアンレストランに入った。
中はパーティー仕様になっていて、４人掛けのテーブルを繋いだ島は二つ。
部長と課長、秋月さんと櫻井さん以外はみんな揃っていて、私も松本さんに声を掛けてもらって隣に座る。
松本さんは就業中と同じスーツだけれど、ネクタイが緩められていていつもより少しだけワイルドになっていた。
「服、着替えてきたんだ？ 似合うね」
「お世辞でも嬉しいです。ありがとうございます」
「女の子は褒めてなんぼでしょ(笑)」
松本さんがモテるのがよく分かる発言。
ほんの小さな事でも松本さんレベルの男の人に褒められて嬉しくない女はきっといない。
だけど。
「チャラいですね(笑)」
「好きになったら大真面目よ俺(笑)」
松本さんは、見た目は近寄りがたい迫力のあるイケメンだけど、話してみれば接しやすい性格。
私に特別な興味が無いのも丸分かりだからとても話しやすい。
引継ぎの間ずっと俯いて必要最低限以外喋らなかった私の顔を覗き込み、「うーん、６５点？」と呟いた彼に「は？」と思いっきり返してしまい、慌てて謝ると「感情が乗ってる方がいいよね」
と笑った松本さん。
「６５点、ですか、私」
いや、松本さんの顔が１００点満点だというなら６５点でもかなり高い点なんじゃないかと思ったけれども。
「うーん。笑顔だともう１０点プラスかな。元は整ってる感じだしね」
それから、会社で主に櫻井さんのせいでイライラしていると側に寄ってきては「スマーイル！」と耳元で言われてる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1902人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
