25 マシ ページ25
くるりと椅子を回転させれば、ネクタイを少し緩め片手をスラックスのポケットに突っ込んだ櫻井さんがそれはそれは爽やかな笑顔を浮かべて立っている。
「俺今日は美味い蕎麦の気分だからさ、ちょっと外に行こうよ」
「え、っと、ですね」
社員食堂のお蕎麦だって、私はそこそこ美味しいと思って食べてきたんだけど。
とか思いながら櫻井さんを見ていると、その言葉を聞き咎めたのだろう同じ営業の女性社員さんが
「えー、私もご一緒したいです。いいですか？」
と明らかに狙った上目使いをしながら櫻井さんに近づく。
可愛いタイプの、いかにも男受けのよさそうな人だ。
おそらく年齢は私より少し上。
櫻井さんを狙ってるんだろうけど、わざとらしい瞬きとかがイタイ感じ。
イタイけど！でも櫻井さんと二人きりよりは絶対マシ。
それに今日から同僚だし、空気を悪くしたく無いし。
だから私は彼女に自分の中ではそう思ってる、飛び切りの笑顔を向けた。
「あ、どうぞ是非ご一緒しましょう？」
私の言葉に、女性社員(確か秋月さんだったか)はまたもやわざとらしく「あ、ホントぉ〜？いいかなあ？」と私じゃなく櫻井さんを見上げる。
そういうところに若干イラッとしたけれど、背に腹は代えられないから、パソコンをスリーブさせて席を立つ準備をする。
もういっそ二人で行ってくれてもいいとか思いながら財布を出していると、上から信じられない言葉が聞こえてくる。
「悪いんだけど、Aさんと二人で行かせてくんない？
さっきやってもらった仕事の話もあるからさ」
仕事の話、と言われれば彼女だって引き下がらざるを得ないだろう。
内情は彼女だって分かりきってるだろうし。
と言うことは、私が断る事も出来ない状況になってしまったと言う事で。
「、そう、ですか」
秋月さんは多少引き攣った笑顔を浮かべながら「じゃあ、今度は是非」と言って部屋を出て行く。
ああ・・・待ってーーー・・・
と心の中で叫ぶも願いは届かず。
「ほら、混む前に入りたいから、早く」
櫻井さんに急かされるまま社屋を出た。
さっきまでは松本さんも一緒にって言ってたのに、松本さんは取引先から電話が来て少し前に外出してしまっているから、本当に二人きりで社屋を出てきてしまった。
途中、櫻井さんが数多の女性社員の誘いを断って今日は私と昼だと言ったせいで、エレベーターでも廊下でも視線が痛かった。
ホント、溜め息しか出ない。
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とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
