22 親切 ページ22
パソコンの設定を終え、パーソナルデータを入力する。
これで社内報や、データ化されてる資料を見る事が出来る。
１５年以上古い情報は資料室の紙資料で残っているけど、私は入社時以来資料室に入った事は無い。
まだ始業時間には少しあるから、とりあえずエクセルを開いてこの部署の座席表を作る。
営業１課は課長も入れて全部で１６人。それプラス私。
あとは新人が数人入って来るんだろう。
向かい合わせでくっついたデスクの列が２つ。
課長の席は離れ小島になっていて、お誕生席は私だけ。
名前は組織票で確認してるけど顔と一致してる人は数人だけだから、各席の持ち主は後で記入していこう。
プリントアウトした紙を取ってデスクに戻ってくると、コーヒーを飲み終えたのか今度は空のマグを持った櫻井さんが後ろを通り、そしてまた話し掛けられた。
「それ、ココの席順？」
「・・・はい」
自分だけが分かればいいと適当に四角を並べただけの『表』とも言えないようなモノを見られるのはちょっと恥ずかしい。
・・・し、距離が近い！
私がそんな事を思ってるのを知ってか知らずか櫻井さんは私の肩をグイッと掴んで椅子に座らせると
「ちょっと貸してみ？」
と言いながら脇から手を出してプリントを引き寄せ、ポケットに差している万年筆で何やら記入し始めた。
「はい、どうぞ」
「・・・ありがとうございます」
櫻井さんが書いてくれたのは正に私が知りたかった情報。
「いーえ。他にも分からない事があったら、昼飯がてら教えてあげるけど？」
「・・・」
親切は確かにありがたいけど。
この人、どうしてこんなに私に構うの？
何が知りたいの？
知ったら気持ち悪いって顔するくせに。
「Aサン？
そんな警戒しなくても、取って食ったりしないよ？(笑)
多分俺が一番世話になると思うからさ、親交を深めたいだけだよ」
苦笑する櫻井さんに、感情が顔に出てしまってるんだと気を引き締める。
「警戒なんて」
「してるでしょ(笑)」
「してませんよ」
「・・・まあどっちでもいいけどさ。
これから仕事仲間になる訳だし、仲良くなるためにも一緒にメシ食おうよ？」
堂々と皆がいる中で誘われると断り辛い。
計算してるのかなと勘繰ってしまうのはもう癖になっていて。
でもここで断ったりしたら周りの人達にも取っ付き難い人だと思われてしまうだろう。
「分かりました」
頷くと、櫻井さんは「後でメール入れる」と笑って側を離れて行った。
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とも(プロフ) - こんにちは。赤い眼の真相？とっても気になります。ってか続きがめちゃくちゃ読みたいです( ^_^ ;) (2020年1月25日 13時) (
レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みやさん» みやさん、こんにちは。大変お待たせしましたm(__)mたったの１話ですが更新いたしました。この後はもう少し更新頻度は上がるかも。お時間ある時にお付き合いいただけたら嬉しいです(^^) (2018年5月12日 13時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みや(プロフ) - 待ってます (2018年4月14日 10時) (レス) id: 31283dda21 (このIDを非表示/違反報告)
seiran(プロフ) - みぃこさん» みぃこさん、こんばんは(^^)先程、すくない話数ですが更新してきました！もう少しコンスタントに進めるのが理想なんですけど、なかなか時間が取れません（T_T） (2018年2月26日 23時) (レス) id: 97bddcb896 (このIDを非表示/違反報告)
みぃこ(プロフ) - おはようございます☆これからの更新楽しみにしてます(*^^*) (2018年2月14日 9時) (レス) id: 22f30ee0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：青藍
作成日時：2018年1月10日 23時
