退屈な日々に【9K】

馬鹿じゃないからーizwー ページ6

私の彼氏は、浮気者だ。

今日だってほら、浮気現場がテレビから流れてきてる。



ピンポンッ

『ついたのは伊沢拓司！！』

『ーー。』

ピンポンピンポンーー！！



浮気相手は、クイズ。


｢んー、この問題もう少し早く押せたな。｣


彼は彼で浮気現場を目の前にして、冷静に反省会をしている。


｢……寝る。｣

｢ぇ、もう？早くない？｣


これ以上浮気現場なんて見たくない。


｢もしかして、体調悪い？｣


なんだかんだちゃんと気を使ってくれるのがまたムカつく。


｢悪くない！おやすみ！拓司のクイズ王！｣

｢いや最後のクイズ王ってなんだよ！！｣


実際クイズ王じゃん。

そう思いつつベッドに潜り込む。


程なくして番組が終わったのか、テレビの音が消え、彼が隣に潜り込んできた。


｢どうしたA？機嫌悪い？｣


体調の次は機嫌かよ、機嫌悪いけど。


｢……別に。｣

｢もうどうしたんだよー、ほらこいよ。｣


こいよ、とか言いながら抱きしめて引き寄せてくれる彼の腕は力強くて。


｢拓司の浮気者。｣

｢なんで！？｣

｢クイズしてる時の拓司、私の知らない顔してる。すっごい楽しそう。｣


彼は、あーーとどこか遠い目をする。


｢確かにクイズは好きだけど、Aのことは愛してるからさ、それで許してよ。｣


ちゅ、と小さくキスをされる。

その表情は普段じゃ絶対見れないもので、あぁこれは私だけが見れる顔なんだ、って思うと嫉妬心なんて吹き飛んでしまった。


｢……拓司のクイズ王。｣

｢だからなんでクイズ王なんだよ。｣


けらけらと笑う彼に抱きついて、目を瞑る。

うっすら聞こえてくる心音はとっても心地よくて、私はすぐに意識を手放した。

頬の雨ーfkrー→←＿＿＿＿

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