プレゼントの行方ーiniー ページ26
クリスマスが近づき街がイルミネーションに照らされていく午後5時頃。
毎週恒例となったご飯に行く道中。
｢……ねぇ、俺たちって……その……付き合ったら、結構お似合い、だよね。｣
街の光に照らされた貴女は悲しそうに笑った。
｢ごめん、友達のままでいたい。｣
そんな、在り来りな言葉で誤魔化された。
俺の思いは、勘違いで、見当違いだった。
買ってしまったプレゼントは……ひとりぼっちだ。
それは、一目惚れだった。
教室移動で友達と歩いていると、中庭で笑ってる貴女。
俺はそれを見て、一瞬で恋に落ちたのだ。
次に見かけたのは学校の資料室。
東大の赤本を持っていて、貴女が東大を目指してることを知った。
当時、俺もなんとなく目指していたから、共通点を見つけて嬉しくなって、気がついたら声をかけていた。
あの時、声は上ずってたし、しどろもどろだったから、きっと貴女にはバレバレだったんだろうね。
それでも｢一緒に頑張ろうね。｣って笑ってくれた笑顔は、今でもはっきりと覚えてる。
それから図書館や自習室で見つけては近くに座り、分からないところがあったら質問して､貴女は｢ここは私も躓いたなぁ。｣なんて楽しそうに笑ってたよね。
そうして貴女が東大に合格して卒業する時、連絡先を交換して、初めてツーショットを撮って。
心臓が痛いくらいに煩かったのが印象的だった。
後を追うように俺も東大に合格して、学部は違うけど同じ学校だねって話して。
貴女はQuizKnockっていうウェブメディアでライターをやっていて、パソコンで作業するのは俺も好きだったから編集として入って。
帰る時間が被ることが多いからって良くご飯に行くようになって。
貴女が忙しくなってからも、毎週金曜日は必ず一緒にご飯を食べに行っていたんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» 早速読んでいただきありがとうございます。この後どうなるかも一応考えてはいますが、次回の短編集のテーマとは少し合わないと思うのですぐに公開、という訳ではありませんが、必ずあす様の目に留まる形に致しますのでしばらくお待ちください。よろしくお願いします。 (2021年11月5日 0時) (
レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - 辰海恋歌さん» 早速続き拝見しました！fkrさんが詰め寄る感じいいですね！続編？半年後fkrさんとどうなっているのか気になります！ (2021年11月4日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» こんばんは！そういって頂けてとても嬉しいです！最後まで気に入って頂けますと幸いです。 (2021年11月4日 20時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
あす(プロフ) - こんばんは！結ばれる悲劇、終わらない悲劇を読んで切なくもありますがとても気に入りました！続きが気になります… (2021年11月3日 22時) (レス) id: 14b7e1c0b8 (このIDを非表示/違反報告)
辰海恋歌(プロフ) - あすさん» いえいえ！気に入っていただけて良かったです！！ (2021年7月17日 23時) (レス) id: e014f887e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：辰海恋歌 | 作成日時：2021年5月19日 16時
