退屈な日々に【9K】

理解と納得ーkwmrー ページ24

彼は今日も、PCの画面を見ながら楽しそうに笑っている。


｢それ、そんなに面白いの？｣


気になって声をかけてみても、彼は画面から目をそらさない。


｢うん。Aも見る？｣

｢んー、うん。見る。｣


彼の隣に座って画面を見ると、それはQuizKnockサブちゃんの動画だった。


｢これ、追加でみんなで遊んだんだけど、面白かったんだ。改めて見ても面白いんだよね。｣


そう言って笑う彼は本当に楽しそうで、してはいけないと言ってもどうしても餅が焼かれていってしまう。

それは動画というより、コメ欄に対して。

拓哉さんはそれも含めて笑っているのだ。

私は動画が終わったのを見計らってとんとん､と拓哉さんに合図する。


｢ん？｣


すると、やっとこっちを見てくれた拓哉さんの目に吸い込まれるそうになる。

それでも私はぐっと堪えて意を決して伝える。


｢拓哉さん、別れません？｣

｢……え？｣


流石の彼でも理解に時間がかかったようで、少しの間があった。


｢今すぐに答えを出してとは言いませんから、考えておいてください。｣


私は立ち上がり寝室に向かおうとした。

けれど、それは拓哉さんが私の袖を掴んだことで阻まれる。

彼は俯いて何も言わない。


｢拓哉さん？｣

｢あの……それは、嫌だ。それと、なんでなのか、教えて。｣


混乱しているのか、少しつっかえながらそう話すのはこの人の特徴。普段は策士だ神だと言われているが、こういう時は誰よりも純粋で真面目な人。

そんなところも好きなのだから困る。

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