バブみのあるお姉様に転生したなら推しを甘やかしたい２

推しが私に対して敵意剥き出し何ですが５ ページ5

うん、芋洗い見たい。洗脳を解いた生徒さん達を見下ろして、最後の子の頭を撫でれば漸く終える事が出来た。後はツムルくんが精神医学教師だから一応診て貰った方が良いかも知れないな…とムルムル先生、そして彼の教育係であるブエル先生をダリ先生に呼んで貰うように声を掛けた。

「……ぅﾞっ…お、俺も…Aさんの、歌…聞ぎだがっだ…」
「あらあら…」
「泣くか診るかどちらかにしろ」
「うわぁああんッ！！」

ブエル先生から注意されつつも生徒さんの体調不良を診るツムルくん。私は二人の掛け合いに小さく笑みを零して後ろから眺めていた、それにしても生徒さん達は特に変わった所がなくて大丈夫そうだ。

「A、先生…」
「！…はい、どうなさいましたか？」

呼ばれて振り返ると居心地の悪いイフリート先生の姿が、その後ろで意地悪げに微笑むダリくんがおり…何か焚き付けられたかな？と苦笑いする。それにしても初めて名前を呼ばれたな、推しから少しでも歩み寄ってくれたのはとても嬉しい事だ。

「すみません、でした…」
「えっ？」
「……僕、A先生に酷い態度を取ったので」
「あぁ…良いですよ！それよりお手伝い頂きましてありがとう御座います、私こそイフリート先生を放って勝手に持ち場を離れてすみません…」
「いえ、そんな！A先生は、生徒を助ける為に優先した事を理解出来ましたので……あの、一つ聞いても構いませんか？」
「はい、何でしょう？」
「どうしてこの騒ぎを気付いたんです？」
「あぁー…生徒さん達と廊下ですれ違った時があったでしょう？その時外の様子が偶然見えてしまって…入学式は毎年新入生が浮かれて何かしらいざこざがありますから、もしかしてと思い様子だけ確認しに行ったんですよね」

まぁ…案の定。いや…寧ろ想定外な集団パニックの催眠術で頭を抱えてしまったが。ブエル先生とツムルくんを探そうにもいないし、職員室で手が空いている人に助けを求めたらダリくんやイフリート先生がいた時は正直ホッとした。流石に私一人…ましてやただの司書教諭である為、報告や相談もなく勝手は出来ない。だからこそ教師統括のダリくんがいてくれて本当に助かったもの。

「……お疲れ様でした、イフリート先生」

背伸びをしてそっと頭を撫でる、初日から色々ありましたが頑張りましたね？そう言葉を紡ぎ黒髪のサラサラした頭を撫でる、目を丸くさせてじわじわと頬や耳を赤くするイフリート先生は振り払う様子もなく撫で回されていた。

たった一日で推しが『忠犬』見たいになった。→←推しが私に対して敵意剥き出し何ですが４

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