推しに愛でられるのは嬉しいがこれは違う５ ページ30
生真面目な彼は少し考える素振りを見せてから｢相手の指定とかは書かれていないんですよね？｣と考察し尋ねて来る。6時06分に愛する者へキスをする…相手は誰でも良いと書かれており、それ以外の指定はなかった事を説明するとイポス先生は頷く。
｢A先生は俺が必ず助けます｣
｢えっ、いや…でも？｣
｢一先ず、A先生が好きな相手は誰でしょうか｣
｢えっ！？｣
まさかのイポス先生と恋愛話をする事になろうとは…好きな相手？それは友達として？それとも異性として？友達ならば沢山いるが、恋人になりたいと思う相手は特にいないし今後も現れるかどうかは分からない。あれ…これは、もしかすると詰んだかも知れない？途端顔色が真っ青になった私は恐る恐るイポス先生を見上げて口を開いた。
｢わ、私…一生このままかも知れません…｣
｢A先生、落ち着いて下さい。大丈夫です…必ずお助け致しますから｣
希望は捨てないで、もう少し考えて見ましょう…他にも解決策があるかも知れません。時間はまだたっぷりとありますから…ね？そう励まして、言葉を選び気遣うイポス先生の優しさが身に染みて泣きそうになる。何とか時間内にキス以外の解除方法がないかを読み漁らなければ…時間はまだある。私以外には解読が出来ないのであれば、それこそ自分の力で頑張らなければ…
｢微力ではありますが、俺にも何か手伝わせて下さい｣
｢…そうですね、では他の本に解除方法が乗っているかも知れませんので確認をお願い出来ますか？｣
｢分かりました、探して見ます｣
私の前から立ち去るイポス先生を眺めて、もう一度最初から読み返すが…分厚い本がいつもより大きくなっておりかなり不便だ。ずっしりとした重さもあり持ち上げるのも一苦労だし、今は簡単な魔術しか扱えないから二つ、三つと同時に高度の魔術も唱えられない…今の私は悪魔位階(１)の実力もあるんだろうか。赤子の手をひねるより簡単な事かも知れない…
いや、まだ時間は間に合う…何ならもう片っ端からキスさせて？とお強請りしてキス魔にでもなるつもりだ。申し訳ないが、近くに誰もいなかった場合はイポス先生に生贄？犠牲？になって貰うしか…大変心苦しいが。
様々な事が起こりしっかりと解読していなかった為分からなかったが、魔術の基礎は勿論の事…分かり易く丁寧な文章。しかし悪魔らしく悪戯好きな言葉の数々に少し微笑ましく思えてしまう、こんな状況でなければもっとじっくり読んで考察したかったものだ。
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akithin.(プロフ) - 凄く面白かったです！更新楽しみにしています！ (4月28日 2時) (
レス) id: 99ff633255 (このIDを非表示/違反報告)
72 - 久しぶりの更新楽しみにしてました！！体調に気をつけて頑張ってください (3月29日 16時) (レス) id: 3801a7866d (このIDを非表示/違反報告)
りんか(プロフ) - とても面白くて読みやすかったです！最近更新されていませんが続きを楽しにみ待っています！！ (2023年4月9日 22時) (レス) id: d3fb5e7475 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - すみませんがもう更新はされないのでしょうか？ (2023年3月26日 0時) (レス) @page29 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - イポス先生の出番！！いつも更新ありがとうございます！！ (2023年2月21日 21時) (レス) @page28 id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼空 | 作成日時：2023年2月6日 9時
